2021年11月16日 14時58分 虐待などを受けた子どもを児童相談所が保護者から引き離す「一時保護」について厚生労働省は、裁判所が必要性を判断する「司法審査」を導入する方針で、子どもの意見を考慮して審査を行うなどとする案を新たに示しました。「一時保護」は、虐待などを受けた子どもの安全を確保するために児童相談所が保護者から引き離す制度です。親権や子どもの自由が制限されることから、厚生労働省は手続きの透明性を確保するために裁判所が必要と認めた上で一時保護状を発行する「司法審査」を導入する方針で有識者でつくる検討会で議論を進めています。きょうの検討会で厚生労働省は制度の見直しに向けた骨子の案を新たに示しました。それによりますと児童相談所は裁判所に一時保護を請求する際、子どもや親権者の意見を聞き取った上で提出する資料に可能な限り記載し、裁判官はそれを考慮して審査するとしています。これまで、一時保護を行う際に子どもの意見を聞くことは義務づけられていませんでしたが子どもの生活に大きく影響することから、権利をより尊重するということです。また、裁判所が請求を却下した場合には、児童相談所からの不服申し立てを認めることなども盛り込まれました。厚生労働省は、改めて検討会を開いて年内に骨子をとりまとめた上で、児童福祉法の改正案を通常国会に提出することにしています。