日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本軍で運用された、八九式中戦車。1920年代の終わりに日本軍初の国産正式戦車として開発され、以降、中国大陸から太平洋戦争まで、15年の長きにわたって運用されています。性能不足に悩まされながらも、高い士気と練度を持った日本の戦車兵達に操られた本車は、多くの戦場で戦果を上げ、その勇ましい姿は、日本国民に勇気を与えました。かつては鉄獅子と呼ばれ、日本陸軍の栄光と凋落のすべてを経験したリベットだらけの英雄は、老兵となりながらも、日本の戦いの始めから終わりまで、多くの戦場で、死力を尽くして戦い抜いたのです。