モーツァルト（ヨーゼフ・アイブラー補筆）：レクイエム K.626

Youtubeからの転載です（ https://www.youtube.com/watch?v=G9AVDjiRGBs ）。モーツァルトがレクイエムの作曲途中に死去し、未完のまま遺された作品をフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーが補筆して完成させたことはよく知られています。しかし、モーツァルトの妻コンスタンツェが夫の未完のレクイエムを完成させるために最初に補筆を依頼したのは、ヨーゼフ・アイブラー（1765 - 1846）でした。アイブラーはその楽才を認めたハイドンによってモーツァルトに紹介されて、歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」のリハーサルを任されたのをはじめとして、モーツァルトの死まで親密な友人であり続けました。アイブラー自身の回想によれば「その最期の痛ましい日々のあいだも、私が彼（モーツァルト）を寝床に抱えて寝付かせ、看病した」とのことで、コンスタンツェが最初にアイブラーを頼ったのも当然といえます。しかし、アイブラーは全曲の補筆を行うことはできませんでした。彼はモーツァルトの作品を深く尊敬しており、未完であっても彼の作品に自分が手を入れることにかなり躊躇し、モーツァルトの絶筆となった「涙の日」の補筆を手掛けた後は全曲の完成を放棄してしまいます。結局、レクイエムはアイブラーの補筆個所を取り除いたモーツァルトの楽譜にジュースマイヤーが補筆して完成させました。その後、アイブラーは奇しくも1833年にモーツァルトのレクィエム（ジュースマイヤー補筆版）を指揮中に脳卒中に倒れ、そのまま音楽活動を引退することとなります。この動画では、アイブラーによるレクイエムの補筆版のみを演奏しています。マリーナ・ウレヴィツ（ソプラノ）バルバラ・ヘルツル（アルト）Jörg Hering（テノール）ハリー・ファン・デル・カンプ（バス）ブルーノ・ヴァイル指揮ターフェルムジーク・バロック管弦楽団テルツ少年合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm44300837