俺がまだ高校生だった頃。結月ゆかりというクラスメートがいた。彼女はクラスの隅っこで本を読んでるような学生で、あまり目立つような感じではなかった。きっかけはもう忘れてしまったが、不思議と俺たちは馬が合って、休み時間に昨日読んだ本の話とか他愛ない話をしてたんだ。二年の秋、学祭の前ぐらいだったかな。ネットで見つけた彼岸花が綺麗な場所に、ふと彼女と一緒に行きたいと思ったんだ。誘ったら一瞬驚いた顔をしていたが、すぐにOKをくれたよ。今にして思えば。きっと俺は彼女が好きだったんだろうな。卒業して、大学に行って、社会人になって…。今でもまだ覚えてる。そんなセピア色の青春の話。【紹介した場所】 ・葛城一言主神社