月冴ゆる。/カゼヒキV

月冴ゆる。/カゼヒキV

dimと申します。 どうぞ、よろしく。 夏に冬を、冬に夏を忘れていく inst: https://piapro.jp/t/NOkh Twitter:  / dim_ao   青猫と月夜の晩に https://x.com/aoneko_tukiyo     月冴ゆる。 「茜差す空に、夏の青がゆっくり溶けていく。 揺れる夏の影が、ゆっくり伸びていく。 胸の辺りに、ずっと君が混じっている。」 夏に書き足す間に、それも忘れてく やっと、暗くなったので 窓の銀枠をそっと、そっと 乗り出してみてさ。 あっという間だったのね 覗いた空にどっと、 どっとオリオンが落ちた。 ただ、過ぎていく。 過ぎていく。 過ぎていく。 この目から、脳から消えていくようで。 そうね、 貴方、貴方だけはわかっていて、 そのいつも通りがさ、美しいことを。 夏の未練も不安も水の冷たさも どうか、忘れていけ。 なんて言って。 やっと気がついたので。 薄い氷膜がすっと、すっと壊れるように。 ずっと脆過ぎたのね。 明日の朝食もぼうと、ぼうと思い付かないで。 ただ、目が覚めた。 カーテンに手をかけて開けば夜の中、月が冴ゆる。 そうね、そうね、 貴方、貴方だけはわかっていて わからないことがなにより美しい。 夏の詭弁も美談も冬の凍晴れも どうか、思い出せなくなるまで。 なんて言って。 「あぁ、青過ぎた街を 思い出した夏を 終わり散った花を もう何度描いたもんか 忘れていくもんか。」 あぁ、貴方は。 ねぇ、忘れて ただ、ただ忘れていってくれ。 思い出だからそれくらいがいいの。 貴方がいつか、いつか忘れていったなら ただ、永い夜と抱き合って眠る、眠る。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm44059044