“食品ロス大国”ニッポン。国内で「まだ食べられるのに廃棄される」食品の量は、年間600万トン以上。今、コロナ禍の影響もあり多くの“売れ残り”が発生、改めてその対策の必要性が高まっている。■「食のアップサイクル」パンの耳が大変身?余ったパンを「別のものに生まれ変わらせる」挑戦が始まっている。パンからビールを作るというものだ。使うパンは、六本木の人気ベーカリーカフェ「ブリコラージュ」のもの。オープンサンドを作る際に切り取る「端」の部分だ。カフェのオーナーである生江さんは、ミシュラン2つ星のフレンチ「レフェルベソンス」のエグゼクティブ・シェフで、世界が認める料理人。以前から、そのパンの切れ端を美味しく生かす方法はないか、と考えていた。そこでタッグを組んだのが、長野県・野沢温泉にあるビール醸造所「AJBブルワリー」だ。「AJBブルワリー」は、イギリス出身のトーマスさんと絵美子さんが手がける本格的なクラフトビールが人気の醸造所。通常、ビールは「麦芽」と「ホップ」に酵母と水を加えて作る。しかし、「ブレッド・ビール」は、そこにローストしたパンを加える。もちろん、“余りもの”を使うからといって、味に妥協はしない。生江シェフとリブシー夫妻のこだわりは、「美味しいものから、さらに美味しいものを生み出す」。今回は新たな味のビール作りに挑戦。成功すれば、より多くの“余ったパン”を美味しく生かすことができるが、果たして?