マンシュタインは、セバストポリ要塞の前面に1300門もの大砲を並べた。中でもグスタフ砲は正真正銘、大砲の怪物だった。総重量は1350トン、自動車1300台分に相当し、列車でしか運べない。大砲の口径は80cmもあり、砲身長は32mを超える。砲弾の全長は2.15mで重量は7トン、射程距離は40kmという超弩級の大砲であった。 その威力も、大砲の常識をはるかに超える。砲弾の着弾点には直径30mものクレータができたという。さらに、この戦闘で、グスタフ砲が放った巨弾はセバストポリ要塞の地下30mを突き抜け、弾薬貯蔵庫を直撃し大爆発を起こした。この大砲撃により、防衛ラインは次々と突破され、歩兵の突撃が始まった。