タグ 青空文庫 が登録されている動画 : 1802 件中 1665 - 1696 件目
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これが真の愛なのか。【墓 - モーパッサン 1881年】 オーディオブック 名作を高音質で Guy de Maupassant - THE GRAVE
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恋の一杯売 - 吉行エイスケ 1927年 https://bit.ly/3kROgQf
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脱ぐ事が出来ない靴を履いたまま踊らされる 【赤いくつ - アンデルセン 1845年】 オーディオブック 名作を高音質で THE RED SHOES - Hans Christian Andersen
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グリム兄弟が書いた初版の白雪姫は最も残酷である 【白雪姫 - 1812年】
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一人でありながら決して一人ではない【群集の人 - エドガー・アラン・ポー 1840年】 オーディオブック 名作を高音質で Edgar Allan Poe - THE MAN OF THE CROWD
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儚く、そして潔く。【初雪 - モーパッサン 1893年】 オーディオブック 名作を高音質で PREMIERE NEIGE - Guy de Maupassant
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世界的な著名人が多数眠っている【ウェストミンスター寺院 -アーヴィング ワシントン 1818年】 オーディオブック WESTMINSTER ABBEY - by Irving Washington
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失くしたネックレスと同じ物を3万6千フランで買ってしまう【首飾り - モーパッサン 1908年】 オーディオブック 名作を高音質で THE DIAMOND NECKLACE - Maupassant
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ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿【リップ・ヴァン・ウィンクル 前編 - ワシントン・アーヴィング 1819年】 Washington Irving - Rip Van Winkle
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ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿【リップ・ヴァン・ウィンクル 後編 - ワシントン・アーヴィング 1819年】 Washington Irving - Rip Van Winkle
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農夫の娘が男と密かに逢っている所を見た猟人の心情を描いた作品 【あいびき - イワン・ツルゲーネフ(二葉亭四迷訳) 1852年】猟人日記より ツルゲーネフの名が世に一気に広まった傑作
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エドガー・アラン・ポー 黒猫 (佐々木直次郎訳) 【Edgar Allan Poe - THE BLACK CAT 1843】
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ここにもスフィンクスの言い難い微笑の謎がある。 【スフィンクス 後編 - 横光利一】 オーディオブック 名作を高音質で
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愛を言葉に出して表現するということは日本人には難しい。 【スフィンクス 前編 - 横光利一】 オーディオブック 名作を高音質で
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#朗読
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落ちた指輪の行方はいかに【井戸 - W・W・ジェイコブズ 1902年】 オーディオブック 名作を高音質で William Wymark Jacobs - THE WELL
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恋の一杯売 - 吉行エイスケ 1927年 https://bit.ly/3kROgQf
■一部抜粋
「君ももう、いよいよだな、ジェム。」
とうとう、一人が言った。
「今度は六週間あくびしながら蜜月をすごして、客を招いた男を、いや、女をというつもりだったが、さぞかし呪うだろうな。」
ジェム・ベンスンは椅子に腰かけたまま長い手足をのばして、なにやらぶつぶつ異議をとなえた。
「てんで理解できないね。」
ウィルフレッド・カーは、あくびしてつづけた。
「僕の性には合わないな。
僕なんざ、一人でいたって二人でいたって、生活に必要なお金をついぞ持ったことがない。
もし君かクリーサス(大冨豪の代名詞)くらい金持だったら、見方も違っていたかもしれないが。」
その言葉の終りの方には、彼のいとこが返事をさし控えるような或る意味があった。
いとこは窓の外をみつめたままで、ゆっくり葉巻をふかしつづけた。
「クリーサスみたいに、また、君みたいに金持ではないけれども。」
ミスタ・カーは目をほそめて窺うように見ながら、また話しだした。
「僕は僕なりに、自分のカヌーに乗って“時”の流れを漕ぎくだりながら、友だちの家の側柱にカヌーをつないでは、中へはいって食事の御相伴にあずかって暮しているよ。」
「まったくヴェネチヤふうだね。」
まだ窓の外を眺めながら、ジェム・ベンスンは言った。
「君には、まんざらでもないことだろうな、ウィルフレッド。
カヌーをつなぐ側柱があり、食事があり、そして、友だちがあるというのは。」
今度はミスタ・カーが、ぶつぶつ言った。
#オーディオブック
#ウイリアムワイマークジェイコブス
#井戸
何よりも一番「体験」が重要である 【アインシュタインの教育観 - 寺田寅彦 1921年】 オーディオブック 名作を高音質で https://bit.ly/3oLFVyL
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■一部抜粋
今のドイツで一番高いゴチックの寺塔のあるという外には格別世界に誇るべき何物をも有たないらしいこの市名は偶然にこの科学者の出現と結び付けられる事になった。
この土地における彼の幼年時代について知り得られる事実は遺憾ながら極めて少ない。
ただ一つの逸話として伝えられているのは、彼が五歳の時に、父から一つの羅針盤を見せられた事がある、その時に、何ら直接に接触するもののない磁針が、見えざる力の作用で動くのを見て非常に強い印象を受けたという事である。
その時の印象が彼の後年の仕事にある影響を与えたという事が彼自身の口から伝わっている。
丁度この頃、彼の父は家族を挙げてミュンヘンに移転した。
今度の家は前のせまくるしい住居とちがって広い庭園に囲まれていたので、そこで初めて自由に接することの出来た自然界の印象も彼の生涯に決して無意味ではなかったに相違ない。
彼の家族にユダヤ人種の血が流れているという事は注目すべき事である。
後年の彼の仕事や、社会人生観には、この事実と思い合せて初めて了解される点が少なくないように思う。
それはとにかく彼がミュンヘンの小学で受けたローマカトリックの教義と家庭におけるユダヤ教の教義との相対的な矛盾――因襲的な独断と独断の背馳が彼の幼い心にどのような反応を起させたか、これも本人に聞いてみたい問題である。
この時代の彼の外観には何らの鋭い天才の閃きは見えなかった。
ものを云う事を覚えるのが普通より遅く、そのために両親が心配したくらいで、大きくなってもやはり口重であった。
八、九歳頃の彼はむしろ控え目で、あまり人好きのしない、独りぼっちの仲間外れの観があった。
ただその頃から真と正義に対する極端な偏執が目に立った。
それで人々は「馬鹿正直」という渾名を彼に与えた。
#オーディオブック
#アインシュタイン
#寺田寅彦
功績や人柄、その後の活躍を当時リアルタイムで綴った 【アインシュタイン - 寺田寅彦 1921年】 オーディオブック 名作を高音質で https://bit.ly/3HA0J57
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■一部抜粋
アインシュタインの仕事の偉大なものであり、彼の頭脳が飛び離れてえらいという事は早くから一部の学者の間には認められていた。
この間日本へ立寄ったバートランド・ラッセルが、「今世界中で一番えらい人間はアインシュタインとレニンだ」というような意味の事を誰かに話したそうである。
この「えらい」というのがどういう意味のえらいのであるかが聞きたいのであったが、遺憾ながらラッセルの使った原語を聞き洩らした。
なるほど二人ともに革命家である。
ただレニンの仕事はどこまでが成効であるか失敗であるか、おそらくはこれは誰にもよく分らないだろうが、アインシュタインの仕事は少なくも大部分たしかに成効である。
これについては世界中の信用のある学者の最大多数が裏書をしている。
仕事が科学上の事であるだけにその成果は極めて鮮明であり、従ってそれを仕遂げた人の科学者としてのえらさもまたそれだけはっきりしている。
レニンの仕事は科学でないだけに、その人のその仕事の遂行者としてのえらさは必ずしも目前の成果のみで計量する事が出来ない。
それにもかかわらずレニンのえらさは一般の世人に分りやすい種類のものである。
取扱っているものが人間の社会で、使っているものが兵隊や金である。
いずれも科学的には訳の分らないものであるが、ただ世人の生活に直接なものであるだけに、事柄が誰にも分りやすいように思われる。
これに反してアインシュタインの取扱った対象は抽象された時と空間であって、使った道具は数学である。
すべてが論理的に明瞭なものであるにかかわらず、使っている「国語」が世人に親しくないために、その国語に熟しない人には容易に食い付けない。
それで彼の仕事を正当に理解し、彼のえらさを如実に估価するには、一通りの数学的素養のある人でもちょっと骨が折れる。
#オーディオブック
#アインシュタイン
#寺田寅彦
不条理が個人を襲ったことを描いたカフカの最高傑作 【変身 - フランツ・カフカ 1915年】 オーディオブック 名作を高音質で DIE VERWANDLUNG - Franz Kafka
【字幕付き】版はこちらから⇩
https://bit.ly/3czDZny
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■一部抜粋
ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。
彼は甲殻のように固い背中を下にして横たわり、頭を少し上げると、何本もの弓形のすじにわかれてこんもりと盛り上がっている自分の茶色の腹が見えた。
腹の盛り上がりの上には、かけぶとんがすっかりずり落ちそうになって、まだやっともちこたえていた。
ふだんの大きさに比べると情けないくらいかぼそいたくさんの足が自分の眼の前にしょんぼりと光っていた。
「おれはどうしたのだろう?」と、彼は思った。
夢ではなかった。
自分の部屋、少し小さすぎるがまともな部屋が、よく知っている四つの壁のあいだにあった。
テーブルの上には布地の見本が包みをといて拡げられていたが――ザムザは旅廻りのセールスマンだった――、そのテーブルの上方の壁には写真がかかっている。
それは彼がついさきごろあるグラフ雑誌から切り取り、きれいな金ぶちの額に入れたものだった。
写っているのは一人の婦人で、毛皮の帽子と毛皮のえり巻とをつけ、身体をきちんと起こし、肘まですっぽり隠れてしまう重そうな毛皮のマフを、見る者のほうに向ってかかげていた。
グレゴールの視線はつぎに窓へ向けられた。
陰鬱な天気は――雨だれが窓わくのブリキを打っている音が聞こえた――彼をすっかり憂鬱にした。
「もう少し眠りつづけて、ばかばかしいことはみんな忘れてしまったら、どうだろう」と、考えたが、全然そうはいかなかった。
というのは、彼は右下で眠る習慣だったが、この今の状態ではそういう姿勢を取ることはできない。
いくら力をこめて右下になろうとしても、いつでも仰向けの姿勢にもどってしまうのだ。
百回もそれを試み、両眼を閉じて自分のもぞもぞ動いているたくさんの脚を見ないでもすむようにしていたが、わき腹にこれまでまだ感じたことのないような軽い鈍痛を感じ始めたときに、やっとそんなことをやるのはやめた。
「ああ、なんという骨の折れる職業をおれは選んでしまったんだろう」と、彼は思った。
#オーディオブック
#カフカ
#変身
手足を固定され、 小人達が群がる 【ガリバー旅行記 - ジョナサン・スウィフト】 GULLIVER’S TRAVELS into several REMOTE NATIONS OF THE WORLD
【字幕付き】版はこちら⇩
https://bit.ly/3oJzigB
東京ロマンティック恋愛記 https://bit.ly/3nAUplN
日本人女性初のオリンピックメダリスト https://bit.ly/30MbAYN
【恋と愛はこうも違うのである】 チャンス - 太宰治 https://bit.ly/3kUJC4j
上海游記 https://bit.ly/3DEaZH8
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この遺書は永遠に語り継がれる 【死刑の前 - 幸徳秋水 1911年】 https://bit.ly/3cyYjVT
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明治44年1月24日、大逆罪の故をもって絞首刑となった作者の死後、監房内に残されていた絶筆。終戦直後、司法省の焼却書類のなかから偶然発見されたものだという。
五章の構成で書き始めたが、一章のみで中断されている。「死刑そのものは、なんでもない」などと、秋水の生死観、死刑論が展開されている。
わたくしは、死刑に処せらるべく、いま東京監獄の一室に拘禁されている。
ああ、死刑! 世にある人びとにとっては、これほどいまわしく、おそろしい言葉はあるまい。
いくら新聞では見、ものの本では読んでいても、まさかに自分が、このいまわしい言葉と、眼前直接の交渉を生じようと予想した者は、一個もあるまい。
しかも、わたくしは、ほんとうにこの死刑に処せられんとしているのである。
平生わたくしを愛してくれた人びと、わたくしに親しくしてくれた人びとは、かくあるべしと聞いたときに、どんなにその真疑をうたがい、まどったであろう。
そして、その真実なるをたしかめえたときに、どんなに情けなく、あさましく、かなしく、恥ずかしくも感じたことであろう。
なかでも、わたくしの老いたる母は、どんなに絶望の刃に胸をつらぬかれたであろう。
されど、今のわたくし自身にとっては、死刑はなんでもないのである。
わたくしが、いかにしてかかる重罪をおかしたのであるか。
その公判すら傍聴を禁止された今日にあっては、もとより、十分にこれをいうの自由はもたぬ。
百年ののち、たれかあるいはわたくしに代わっていうかも知れぬ。
いずれにしても、死刑そのものはなんでもない。
これは、放言でもなく、壮語でもなく、かざりのない真情である。
ほんとうによくわたくしを解し、わたくしを知っていた人ならば、またこの真情を察してくれるにちがいない。
堺利彦は、「非常のこととは感じないで、なんだか自然の成り行きのように思われる」といってきた。
小泉三申は、「幸徳もあれでよいのだと話している」といってきた。
どんなに絶望しているだろうと思った老いた母さえ、すぐに「かかる成り行きについては、かねて覚悟がないでもないからおどろかない。
わたくしのことは心配するな」といってきた。
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#幸徳秋水
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言わずと知れた名作。何度聞いても怖い【耳無芳一の話 - 小泉八雲 1904年】 オーディオブック THE STORY OF MIMI NASHI HOICHI - Koizumi Yakumo
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https://bit.ly/3DE6YCi
七百年以上も昔の事、下ノ関海峡の壇ノ浦で、平家すなわち平族と、源氏すなわち源族との間の、永い争いの最後の戦闘が戦われた。
この壇ノ浦で平家は、その一族の婦人子供ならびにその幼帝、今日安徳天皇として記憶されていると共に、まったく滅亡した。
そうしてその海と浜辺とは七百年間その怨霊に祟られていた。
他の個処で私はそこに居る平家蟹という不思議な蟹の事を読者諸君に語った事があるが、それはその背中が人間の顔になっており、平家の武者の魂であると云われているのである。
しかしその海岸一帯には、たくさん不思議な事が見聞きされる。
闇夜には幾千となき幽霊火が、水うち際にふわふわさすらうか、もしくは波の上にちらちら飛ぶ。
すなわち漁夫の呼んで鬼火すなわち魔の火と称する青白い光りである。
そして風の立つ時には大きな叫び声が、戦の叫喚のように、海から聞えて来る。
平家の人達は以前は今よりも遥かに焦慮いていた。
夜、漕ぎ行く船のほとりに立ち顕れ、それを沈めようとし、また水泳する人をたえず待ち受けていては、それを引きずり込もうとするのである。
これ等の死者を慰めるために建立されたのが、すなわち赤間ヶ関の仏教の御寺なる阿彌陀寺であったが、その墓地もまた、それに接して海岸に設けられた。
そしてその墓地の内には入水された皇帝と、その歴歴の臣下との名を刻みつけた幾箇かの石碑が立てられ、かつそれ等の人々の霊のために、仏教の法会がそこで整然と行われていたのである。
この寺が建立され、その墓が出来てから以後、平家の人達は以前よりも禍いをする事が少くなった。
しかしそれでもなお引き続いておりおり、怪しい事をするのではあった。
彼等が完き平和を得ていなかった事の証拠として。
幾百年か以前の事、この赤間ヶ関に芳一という盲人が住んでいたが、この男は吟誦して、琵琶を奏するに妙を得ているので世に聞えていた。
子供の時から吟誦し、かつ弾奏する訓練を受けていたのであるが、まだ少年の頃から、師匠達を凌駕していた。
本職の琵琶法師としてこの男は重もに、平家及び源氏の物語を吟誦するので有名になった、そして壇ノ浦の戦の歌を謡うと鬼神すらも涙をとどめ得なかったという事である。
#オーディオブック
#小泉八雲
#耳なし芳一
マリーアントワネットの手紙の黒塗りで隠されていた部分がフランスの研究チームによって解読に成功したとの事で、本日は彼女に関する作品をお届けします。【パリの地下牢 - 野上豊一郎 1941年】
【4K】字幕版はこちら⇩
https://bit.ly/3nvOnmp
イル・ド・ラ・シテはパリ発祥の地で、俗に「パリの目」とも呼ばれるが、文化史的に見ると、それは同時に「フランスの目」でもあった。
その位置をパリの地図についていうと、セーヌ河が南東から中央に山形を描いて南西の方へ流れている。
その山形の右寄りの肩のあたりで、セーヌは幅広くなって、二つの島を浮かべている。
右が聖ルイ島で、左がイル・ド・ラ・シテである。
■一部抜粋
イル・ド・ラ・シテは今から二千年前、ユリウス・ケーサルが今のフランスの地に侵入していたゴート人を撃退した頃は、ラテン名でルテティアと呼ばれ、セーヌはセクアナと呼ばれていた。
ルテティアはその後ローマ帝国の支配の下に次第に繁栄し、村から町となり、しばしばローマ皇帝の行在所となり、重要な都市的機構を持つようになり、聖ドゥニ、聖ジュヌヴィエヴなどの時代を経て、シャールマーニュ帝の頃また大いに発展し、くだってカペ朝のフィリプ・オーギュストはパリを拡張し、ルイ九世は更に輝かしい功績をパリの歴史に加え、近代のパリ繁栄の基礎を作り上げた。
イル・ド・ラ・シテは長い間パリの中心であっただけに、今でも主要な建物がいろいろ遺っている。
ノートル・ダーム、サント・シャペル、パレー・ド・ジュスティス等がその顕著なものである。
ノートル・ダームの大寺はローマ時代にはユピテルの神殿のあった位置で、イル・ド・ラ・シテが「パリの目」なら、ノートル・ダームはその「瞳」だといってもよい。
ここに寺の建てられたのは四世紀の半ば過ぎで、初めは聖エティエンヌと呼ばれていた。
それを聖母ノートル・ダームに捧げる寺にしたのはいつ頃からかよくわからないが、ヴィクトル・ユーゴーに拠れば、シャールマーニュ帝が最初の礎石を置いたというから、そうすると八世紀の末か九世紀の初めであっただろう。
今の建物は十二世紀の後半から十四世紀の初期までかかって完成されたもので、荘厳無比のそのゴティク様式は、ランス、アミアン、シャルトル等の大寺と共にフランスの誇りであり、書けばそれだけでも一冊の本になるほどの資料がある。
サント・シャペルは昔の王宮の礼拝堂で、聖ルイが第七・第八十字軍遠征から持って帰った遺物を納めて礼拝するために建てたもので、フランス建築史の上では最も重要な建物の一つである。
私たちを案内した吉川君が一番にここを見せてくれたのもその意味からであった。
#オーディオブック
#マリーアントワネット
#手紙
2021年宇宙の旅へようこそ。 月へ旅行する事や人工衛星について解説 【宇宙旅行の科学 - 中谷宇吉郎 1953年】 オーディオブック 仮想現実の世界をVRヘッドセット使用で臨場感や没入感が更にUP
【4K】字幕版はこちら⇩
https://bit.ly/3FvoOrS
宇宙旅行の夢くらい、素晴らしくて、又罪のない夢はない。
そういう夢に、いよいよ実現の可能性が出てきたのならば、これは戦争の悪夢にうなされているわれわれには、何よりの清涼剤になるであろう。
■一部抜粋
アメリカの海軍が、時速五千八百マイルのロケットを註文したことは、この可能性を実証するものだが、まず人工衛星をつくることが、宇宙旅行の第一歩である。
これさえ出来れば、それを足場にして、そこから宇宙船をとび出させれば、比較的容易に、天体までの旅行が出来るのである。
地球からすぐ天体へとび出すのは、ベース・キャンプをつくらないでエヴェレストへ登ろうとするような話である。
エヴェレストの頂上をきわめようと思ったら、まずベース・キャンプをつくらねばならない。
そして人工衛星が、この場合のベース・キャンプなのである。
それで人工衛星をつくることの可能性如何が、宇宙旅行が科学の問題になるか、空想小説の種になるかという岐れ目である。
今度アメリカ海軍が発註したロケットの規格は、この人工衛星をつくる一つの可能性を示した点において、かなり重要な意味がある。
第二次世界大戦の末期頃に、ヒットラーが、この人工衛星をつくる研究を指令したことがある。
この話は、当時の日本の新聞にも出ていたので、記憶に残っている方もかなりあるであろう。
もっともあまりにも突飛な話なので、たいていの人は、法螺話か新聞記事のデマとして、気にも止めず、読み棄てられたにちがいない。
しかし今から考えてみれば、ヒットラーが、大真面目にこの問題をとり上げたとしても、ちっとも可笑しくないのである。
というのは、現在アメリカで、一部の人たちの間ではあるが、本気で人工衛星のことを考えているのは、けっきょく第二次大戦中に独逸で発明されたV2号ロケットの改良の問題に帰するわけである。
#オーディオブック
#宇宙旅行
#VR
ぐっすり眠れて朝リラックスできる高音質な字幕付きオーディオブックでストレスを解消③ 【生物学的の見方 - 丘浅次郎 1910年】 https://bit.ly/3oNEAaU
【4K】字幕版はこちら⇩
https://bit.ly/3oNEAaU
すべて物は見方によって種々異なって見えるもので、同一の物でも見方を変えると、全く別物かと思われるほどに違って見えることもある。
たとえばここにある水呑コップのごときも上から見れば丸いが、横から見るとほぼ長方形に見える。
■一部抜粋
日々世の中に起こる事柄も、ある人はこれを道徳の方面から見、ある人はこれを政治の方面から見、ある人は教育の方面より、ある人は衛生の方面よりというように種々の異なった方面から見るが、かくあらゆる方面から見た結果を綜合して始めてその事柄の真相が知れるのである。
一方から見るのみで、他のほうから見ることを忘れては決して正しい観念を獲ることはできぬ。
これはもとより明らかなことで、従来とても何か事を調べるにあたってはなるべく各方面から見るように注意していたように見受けるが、ここに一つ今日まで全く忘れられ度外視せられていた見方がある。
それはすなわち表題に掲げた生物学的の見方であるが、われらの考えによれば、人間社会に起こる百般のできごとを正しく観察するにはぜひともこの見方を加えることが必要で、これを省いてはとうてい皮相的にとどまるをまぬがれぬ。
特に人間の行為を研究の対象物とする倫理、教育等のごときいわゆる精神科学においては今後時代の進歩にともなうために大いにこの見方を奨励する必要があろう。
さて生物学的の見方とはいかなる見方かというに、これは一言でいえば人間を生物の一として見るのである。
すなわち人間を他の生物とは全く離れた一種特別のものとせず、単に生物の一種と見なし人間社会の現象をも生物界の現象の一部と見なして観察するのであるが、それにはまずバクテリアのごとき簡単微細な生物から猿、人間のごとき高等なものまでを一ヵ所に集めたと想像し、全部を見渡しながらその一部なる人間を見るというようにせねばならぬ。
これを芝居にたとえて見れば、バクテリア、アメーバ等より猿、猩々にいたるまですべての生物を一列に並べて舞台の背景とし、その前へ人間を引き出して浮世の狂言を演ぜしめ、自分は遠く離れて棧敷から見物している気になって、公平に観察するのである。
人間界の現象には、かような見方によって初めてその意味を明らかにすることのできる部分がはなはだ多い。
#オーディオブック
#生物学
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ぐっすり眠れて朝リラックスできる高音質な字幕付きオーディオブックでストレスを解消① 【物理学と感覚 - 寺田寅彦 1917年】 https://bit.ly/3kSAi0C
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人間がその周囲の自然界の事物に対する知識経験の基になる材料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。
生まれつき盲目で視神経の能力を欠いた人間には色という言葉はなんらの意味を持たない、物体の性質から色という観念をぬき出して考える事がどうしてもできない。
■一部抜粋
トルストイのおとぎ話に牛乳の白色という観念を盲者に理解させようとしてむだ骨折りをする話がある。
雪のようだと言えばそんなに冷たいかとこたえ白うさぎのようだと言えばそんなに毛深い柔らかいのかと聞きかえした。
それでもし生まれつき盲目でその上に聾な人間があったら、その人の世界はただ触覚、嗅覚、味覚ならびに自分の筋肉の運動に連関して生ずる感覚のみの世界であって、われわれ普通な人間の時間や空間や物質に対する観念とはよほど違った観念を持っているに相違ない。
もし世界じゅうの人間が残らず盲目で聾唖であったらどうであろうか。
このような触覚ばかりの世界でもこのような人間には一種の知識経験が成立しそれがだんだんに発達し系統が立ってそして一種の物理的科学が成立しうる事は疑いない事であろう。
しかしその物理学の内容はちょっと吾人の想像し難いようなものに相違ない。
たとえば吾人の時間に対する観念の源でも実は吾人の視覚に負うところがはなはだ多い。
日月星辰の運行昼夜の区別とかいうものが視覚の欠けた人間には到底時間の経過を感じさせる材料にはなるまい。
それでも寒暑の往来によって昼夜季節の変化を知る事はある程度までできる。
振り子のごとき週期的の運動に対する触感と自分の脈搏とを比較して振動の等時性というような事を考え時計を組み立てる事は可能であるかもしれぬ。
しかし自分の手足の届くだけの狭い空間以外の世界に起こっている現象を自分の時計にたよって観測する事はよほど困難である。
このような人には時や空間はただ自分の周囲、たとえば方六尺の内に限られた、そして自分といっしょに付随して歩いて行くもののようにしか考えられぬのかもしれぬ。
この人にとっては自分の触覚と肉感があらゆる実在で、自分の存在に無関係な外界の実在を仮定する事はわれわれほど容易でないかもしれない。
象と盲者のたとえ話は実によくこの点に触れている。
#オーディオブック
#寺田寅彦
#物理学
怪談なのか、コメディなのか?【幽霊の移転 - フランシス・リチャード ストックトン 1895年】 THE TRANSFERRED GHOST https://bit.ly/3oIAiBr
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ジョン・ヒンクマン氏の田園住宅は、いろいろの理由から僕にとっては甚だ愉快な場所で、やや無遠慮ではあるが、まことに居心地のよい接待ぶりの寓居であった。
庭には綺麗に刈り込んだ芝原と、塔のように突っ立った槲や楡の木があって、ほかにも所どころに木立ちが茂っていた。
家から遠くないところに小さい流れがあって、そこには皮付きの粗末な橋が架けてあった。
■一部抜粋
ここらには花もあれば果物もあり、愉快な人たちも住んでいて、将棋、玉突き、騎馬、散歩、魚釣りなどの遊戯機関もそなわっていた。
それらはもちろん、大いに人を惹くの力はあったが、単にそれだけのことでは、そこに長居をする気にはなれない。
僕は鱒の捕れる時節に招待されたのであるが、まず初夏の時節をよしとして訪問したのである。
草は乾いて、日光はさのみ暑からず、そよそよと風が吹く。
その時、わがマデライン嬢とともに、枝の茂った楡の下蔭をそぞろに歩み、木立のあいだをしずかに縫ってゆくのであった。
僕はわがマデライン嬢といったが、実のところ、彼女はまだ僕のものではないのである。
彼女はその身を僕に捧げたというわけでもなく、僕のほうからもまだなんとも言い出したのではなかったが、自分が今後この世に生きながらえてゆくには、どうしても彼女をわがものにしなければならないと考えているので、自分の腹のうちだけでは、彼女をわがマデラインと呼んでいるのであった。
自分の考えていることを早く彼女の前に告白してしまえば、こんな独りぎめなどをしている必要はないのであるが、さてそれが非常にむずかしい事件であった。
それはすべての恋する人が恐れるように、およそ恋愛の成るか成らぬかの間にまた楽しい時代があるのであるから、にわかにそれを突破して終末に近づき、わが愛情の目的物との交通または結合を手早く片付けてしまうのを恐れるばかりでなく、僕は主人のジョン・ヒンクマン氏を大いに恐れているがためであった。
かの紳士は僕のよい友達ではあるが、彼にたいしておまえの姪をくれと言い出すのは、僕以上の大胆な男でなければ出来ないことであった。
#オーディオブック
#怪談
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球体の内面を全部鏡にし、その中に人が入ったらどのように写るか? 【鏡地獄 - 江戸川乱歩 1926年】 https://bit.ly/3qQ8ez0
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■一部抜粋
ほんとうにあったことか、Kの作り話なのか、その後、尋ねてみたこともないので、私にはわからぬけれど、いろいろ不思議な物語を聞かされたあとだったのと、ちょうどその日の天候が春の終りに近い頃の、いやにドンヨリと曇った日で、空気が、まるで深い水の底のように重おもしく淀んで、話すものも、聞くものも、なんとなく気ちがいめいた気分になっていたからでもあったのか、その話は、異様に私の心をうったのである。
話というのは、
私に一人の不幸な友だちがあるのです。
名前は仮りに彼と申して置きましょうか。
その彼にはいつの頃からか世にも不思議な病気が取りついたのです。
ひょっとしたら、先祖に何かそんな病気の人があって、それが遺伝したのかもしれませんね。
というのは、まんざら根のない話でもないので、いったい彼のうちには、おじいさんか、曾じいさんかが、切支丹の邪宗に帰依していたことがあって、古めかしい横文字の書物や、マリヤさまの像や、基督さまのはりつけの絵などが、葛籠の底に一杯しまってあるのですが、そんなものと一緒に、伊賀越道中双六に出てくるような、一世紀も前の望遠鏡だとか、妙なかっこうの磁石だとか、当時ギヤマンとかビイドロとかいったのでしょうが、美しいガラスの器物だとかが、同じ葛籠にしまいこんであって、彼はまだ小さい時分から、よくそれを出してもらっては遊んでいたものです。
考えてみますと、彼はそんな時分から、物の姿の映る物、たとえばガラスとか、レンズとか、鏡とかいうものに、不思議な嗜好を持っていたようです。
それが証拠には、彼のおもちゃといえば、幻灯器械だとか、遠目がねだとか、虫目がねだとか、そのほかそれに類した、将門目がね、万華鏡、眼に当てると人物や道具などが、細長くなったり、平たくなったりする、プリズムのおもちゃだとか、そんなものばかりでした。
それから、やっぱり彼の少年時代なのですが、こんなことがあったのも覚えております。
ある日彼の勉強部屋をおとずれますと、机の上に古い桐の箱が出ていて、多分その中にはいっていたのでしょう、彼は手に昔物の金属の鏡を持って、それを日光に当てて、暗い壁に影を映しているのでした。
#オーディオブック
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#鏡地獄
シャーロック・ホームズシリーズ1【株式仲買店々員 - コナンドイル 1893年】 オーディオブック The Stockbroker’s Clerk https://bit.ly/3oGNLK7
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結婚してからほどなく、私はパッディングトン区にお得意づきの医院を買った。
私はその医院を老ハルクハー氏から買ったのであるが、老ハルクハー氏は一時はかなり手広く患者をとっていたのであった。
しかし寄る年波とセント・ビタス・ダンスをする習慣があったためすっかりからだを悪くしたので、だんだんお客をなくして淋れてしまった。
■一部抜粋
世間の人と云うものは、病人を治療する人間は、その人自身が健康でなくてはならない。
そしてもしその人が病気になっても自分の医薬ではなおることが出来ないのを見ると、その人の治療上の力を疑いはじめる、と云うそうした傾向を持っているものであるが、これはむしろ当然な話である。
つまりそれと同じような理由で、ハルクハー氏は次第に医院をさびれさせていって、私がその医院を買うまでに一年に千二百人からあった患者が三百人ほどもないくらいにまで減ってしまった。
けれども私は、私の若さと体力とに自信があったので、二三年の間には昔と同様に繁盛するだろうと確信していた。
私は仕事を始め出してから三ヶ月の間、最も熱心に注意深く働いた。
そのため、私はベーカー街に行くには余りにいそがしすぎて、ほとんどシャーロック・ホームズと会わなかった。
そして彼自身も、自分の職業上の仕事以外には、どこへも出かけなかった。
それ故、六月のある朝、朝飯をすましてブリティッシ・メディカル・雑誌を読んでいると、玄関のベルが鳴り、つづいて私の親友の大きな甲高い調子の声がきこえて来たので、私はびっくりした。
「やあ、ワトソン君。」
彼は部屋の中に這入って来ると云った。
「君に会えて嬉しいよ。
君は例の『四つの暗号』事件以来、からだはすっかりいいんだろう?。」
「有難う。
お蔭さまで二人とも丈夫だよ。」
私は彼と友情のこもった握手をしながら云った。
「そう。
そりア結構。
けれどその上に。」
と、彼は廻転椅子の上に腰をおろしながらつづけた。
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その本を読んだら消される 【古書の呪い - G・K・チェスタートン 1935年】 オーディオブック 名作を高音質で BLAST OF THE BOOK https://bit.ly/3cFOtSt
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オープンショウ教授は、もし誰かに心霊主義者だとか心霊主義の信者だとか言われると、ガタンと卓を叩いて、いつも癇癪を起こすのであった。
しかし、これだけで持前の爆発がおさまるわけではなかった。
というのはもし誰かに心霊主義の否認者だと言われても、やはり癇癪を起こしたからである。自分の一生をささげて心霊現象を研究してきたのは彼の誇りであった。
■一部抜粋
そういう心霊現象は本当に心霊の現われなのかそれとも単に自然現象の現われなのかそれを自分がどう思っているかについて絶対にヒントをあたえた事がないのも彼の誇りであった。
彼にとって何よりも楽しかったのは、熱心な心霊主義者の輪の中に坐って、自分がどういう風にして霊媒の正体を次々とあばき立て、インチキを次々と見つけ出したかという話を徹底的に詳しく話してきかせる事であった。
というのは実際彼は、一度目的物に目をつけたら最後、非常な探偵能力と洞察力を発揮したし、いつも霊媒には、大いに怪しい目的物として、目をつけたからである。
同じ心霊主義のペテン師が三つの違った変装をしているのを見つけたときの話がある。
女になったり真白な顎ひげの老人になったり、濃いチョコレート色のバラモン教徒になったりしていたのであった。
こういう話を詳しく聞かされると、本当の信者たちはかなり落ち着かなくなったが、実はそれが教授の狙いであった。
しかし心霊主義者だってインチキな霊媒の存在を否定するわけではないから、別に文句は言えなかった。
ただ、なる程教授の滑らかな話しぶりが、霊媒はみんなインチキだといわんばかりに聞こえるのかもしれなかった。
しかし頭の単純な無邪気な唯物論者には災あれ(しかも唯物論者は全体的にかなり無邪気で頭が単純である)。
連中は、こういう話の傾向から勝手に想像して、幽霊は自然の法則にそむくとか、そんな物は古い迷信にすぎないとか、全てがたわ言か、さもなかったらでたらめだとかいうふうに議論を進めるのである。
こういう相手には教授は、ふいに全ての科学の砲火をあべこべに向けかえて、惨めな合理主義者が一度も聞いた事がないような、疑う余地のない事件や説明のつかない現象を一斉にならべ立てて、相手をなぎはらうのであった。
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トンネルのある深い谷で奇妙なことを頼まれる【信号手 - チャールズ・ディケンズ 1866年】 オーディオブック 名作を高音質で https://bit.ly/2YZtwyx
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信号手は、チャールズ・ディケンズによる一人称視点のホラー/ミステリー小説で、1866年のクリスマス版『All the Year Round』にMugby Junctionコレクションの一部として初出された。
タイトルにもなっている鉄道信号員が、自分につきまとっている亡霊について語り手に語る。
幽霊が現れるたびに、信号手が働く鉄道での悲劇的な出来事が起こる。
信号手の仕事は、寂しい線路のトンネル入り口近くの深い切り通しの中にある信号ボックスで、通過する列車の動きをコントロールしている。
危険が迫ってくると、仲間の信号員が電信や警報で知らせてくれる。
また、自分にしか聞こえない音でベルが鳴り、幻の警告を受けることが3回ある。
それぞれの警告の後には、妖怪が現れ、そして恐ろしい事故が起こる。
最初の事故は、トンネルの中で2つの列車が衝突するというものである。
ディケンズは、この物語を書く5年前の1861年に起きたクレイトン・トンネルの事故を元にしたのかもしれない。
1866年の読者は、この大災害をよく知っていただろう。
2つ目の警告は、通過する列車の中で若い女性が謎の死を遂げるというもの。
最後の警告は、信号員自身の死を予感させるものである。
物語は、「おぅい、下にいる人!」と呼んだところから始まる。
下の線路に立っている信号手は、語り手が期待するように顔を上げず、むしろ振り向いて、自分の責任で監視している鉄道トンネルの中を見つめています。
語り手は再び下に向かって声をかけ、下降の許可を求める。
信号手は渋っているようだ。
鉄道の穴は、寒くて、暗くて、寂しい場所です。
信号士は、語り手を怖がっているようだが、語り手は信号士を安心させようとする。
信号手は語り手を見たことがあるような気がするが、語り手はそれはありえないと断言する。
安心した信号手は、新入りを小さな小屋に迎え入れ、二人は信号手の仕事について話す。
彼の仕事は退屈で単調なものだが、信号手は若い頃に学問の機会を無駄にしたので、自分にはこれ以上のものはないと感じている。
#オーディオブック
#チャールズディケンズ
#信号手
史上初の推理小説 【モルグ街の殺人事件 後編 - エドガー・アラン・ポー 1841年】 オーディオブック MURDERS IN RUE MORGUE - https://bit.ly/3HroQTk
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私はピストルを手にしたが、自分のしたことにまるで気もつかず、また自分の聞いたことも信じられなかった。
そのあいだにデュパンはまるで独言を言っているように話しつづけた。
こういうときの彼の放心したような様子については、すでに語ったとおりである。
■一部抜粋
彼は私に話しかけているのだった。
が、その声は、決して高くはなかったけれど、誰かずっと遠いところにいる者に話しているときのような抑揚があった。
眼は、なんの表情もなくて、ただ壁だけをじっと眺めているのだった。
「階段の上にいた連中の聞いた争うような声が。」
と彼は言った。
「あの二人の女の声ではないということは、証言によって十分に証明された。
だから、母親のほうが初めに娘を殺し、そのあとで自殺をしたのではなかろうかという疑いは、いっさいなくなるわけだ。
僕は殺人の手段ということのために、この点を話しておくんだよ。
レスパネエ夫人の力では、娘の死体をあんなふうに煙突のなかに突き上げるなんてことはとてもできまいし、また彼女自身の体についている傷の性質から言っても、自殺などという考えをぜんぜん許さないものなんだからね。
とすると、殺人は誰か第三者がやったのだ。
そしてこの第三者の声が、争っているように聞えた声だったのだ。
今度は、この声についての証言全体ではなく、その証言のなかの特異な点を、注意してみようじゃないか。
君はそれについて何か妙なことに気づかなかったかね?。」
私は荒々しい声をフランス人の声だと推定することにはすべての証人の意見が一致しているのに、あの鋭い、あるいは一人の証人の言うところによれば耳ざわりな、声に関してはひどい意見の相違がある、ということを言った。
#オーディオブック
#モルグ街の殺人事件
#エドガーアランポー
首無し騎士に襲われる 【スリーピー・ホロー 後編 - アーヴィング ワシントン 1820年】 THE LEGEND OF SLEEPY HOLLOW - https://bit.ly/3cpkDS4
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彼らは今まで平穏だった先生の領域を荒らし、唱歌の学校は煙突をふさいでいぶり出してしまうし、
校舎には堅固に結んだ紐や窓の心張棒があったにもかかわらず、夜なかに侵入して、なにもかもひっくりかえしてしまい、
あわれな先生は、近隣の魔法使どもがみんなで集会でもしたのかと思ったほどだった。
■一部抜粋
しかし、もっと困ったことは、ブロムがあらゆる機会を利用して彼を恋人の面前で愚弄したことだった。
ブロムは犬を飼ってしごく滑稽に鳴くように教えこみ、それを連れこんでイカバッドが彼女に讃美歌をおしえる向うを張ったのである。
このようにしてしばらく時がたち、二人の競争者のあいだの情勢には実質的な影響はなかった。
ある晴れた秋の午後、イカバッドは、もの思いにふけりながら、いつも彼が教室のなかのできごとを見張るときに腰かける高い椅子に王様のようにどっかと坐りこんでいた。
その手に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。
正義の鞭は王座の背後の三本の釘にかけてあり、悪事をはたらくものを絶えず脅やかしていた。
一方、彼の前の机の上にはさまざまな禁制品や御法度の武器が、なまけものの腕白小僧からとりあげられて置いてあった。
かじりかけの林檎や、豆鉄砲やら、独楽、蠅とり籠、そのほか跳ねあがる紙の鶏がたくさんあった。
見たところ、つい先刻おそろしい刑罰が加えられたばかりらしく、生徒はみな忙しそうに書物を熱心に見ているか、さもなければ、片眼で先生のほうを見ながら、たくみに本のかげにかくれてこそこそ内緒話をしている。
教室全体がしんとしているのに、ひそかにぶつぶついう声がみなぎっているのだ。
#オーディオブック
#スリーピーホロー
#デュラハン
首無し騎士に襲われる 【スリーピー・ホロー 前編 - アーヴィング ワシントン 1820年】 THE LEGEND OF SLEEPY HOLLOW - https://bit.ly/3nqdcjM
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https://bit.ly/3nqdcjM
そこは心地よいまどろみの国
夢は半ばとじた眼の前にゆれ
きらめく楼閣は流れる雲間にうかび
雲はたえず夏空に照りはえていた
倦怠の城
■一部抜粋
ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。
そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が正しく、また普通にはその名で知られている。
聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。
それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほどはうけあわない。
ただ一応そのことを述べて、正確と厳正を期そうというわけである。
この村からさほど遠くない、おそらく二マイルほどはなれた高い丘に、小さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは世の中でいちばん静かな場所である。
小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、ときたま鶉が鳴いたり、啄木鳥の木を叩く音が聞えるが、あたりに漲ぎる静寂を破る響はそれくらいのものだ。
思いおこしてみると、わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、この渓谷の片側に茂っている高い胡桃の木の林だった。
わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午どきで、自然はことのほか静かで、わたしは自分の銃のとどろく音にもおどろいたものだ。
銃声はあたりの日曜日のような静けさを破り、こだまとなって尾をひき、怒ったように鳴りひびくのだった。
世の中の騒がしさから逃れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余暇を静かに夢みながら暮すことができる隠居所をもとめるならば、この小さな渓谷にまさるところは知らない。
#オーディオブック
#スリーピーホロー
#デュラハン