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岡潔の晩年の夢とドイツ数学史の現在 高瀬 正仁(九州大学基幹教育院教授)@ジュンク堂池袋本店
2014/9/12収録『紀見峠を越えて 岡潔の時代の数学の回想』刊行記念トークイベント高瀬 正仁(九州大学基幹教育院教授)日本が世界に誇る大数学者、岡潔。多変数関数論を創造し、リーマンに並び立つ岡潔の人生と学問を半世紀にわたって追い続けてきた高瀬正仁さんに、著書『紀見峠を越えて』刊行を記念して、以下の3つのテーマでお話ししていただきます。岡潔先生の多変数関数論研究には「内分岐領域の解明」という「晩年の夢」がありましたので、まず岡潔先生がこの研究を取り上げるにいたった経緯を話します(第一のテーマ)。歴史的な観点から見ると、岡潔先生の数学研究はガウスを源泉とする19世紀のドイツ数学史の流れに沿って成立しましたが、今日の数学はドイツ数学史と大きく乖離しています。この現象の由来を語り、復活の可能性について所見を述べます(第二のテーマ)。ドイツ数学史と和算の類似性にも言及したいところです(第三のテーマ)。【講師紹介】昭和26年(1951年)、群馬県勢多郡東村(現在、みどり市)に生れる。九州大学基幹教育院教授。多変数関数論と近代数学史を専攻。平成20年(2008年)、九州大学全学教育優秀授業賞受賞。2009年度日本数学会賞出版賞受賞。岡潔の学問と人生にテーマを求めた著作に、評伝三部作『星の章』『花の章』『虹の章』と『岡潔 数学の詩人』がある。
ホセ・ドノソとラテンアメリカ文学ブームの作家たち 寺尾 隆吉(ラテンアメリカ文学研究) × 佐々木 敦(批評家)@ジュンク堂池袋本店
2014/9/16収録ホセ・ドノソ『別荘』(現代企画室)刊行記念寺尾 隆吉(ラテンアメリカ文学研究)佐々木 敦(批評家)読者を幻惑の世界に引きずり込むホセ・ドノソ『別荘』の迷宮的フィクションに、当代きっての批評家と翻訳者が鋭く切り込む、文学ファン愉悦の対談が実現。長きにわたり待望されていたチリの巨匠ホセ・ドノソ(1924-1996)の代表作、『別荘』の邦訳がついに刊行されました。ガルシア=マルケスと並ぶ「ラテンアメリカ文学ブーム」の牽引者ドノソが1978年に書き上げた『別荘』は、「悪夢的」「迷宮的」とその作品世界を称され、「ブーム世代」のひとつの到達点として、数多くの批評家、作家がその魅力を論じてきました。また、ドノソのもう一つの代表作『夜のみだらな鳥』(改訂訳)も近々刊行を予定されています。そこで、この『別荘』の翻訳者であり、これまでに次々とラテンアメリカ文学の傑作を翻訳紹介されてきた寺尾隆吉さんと、文学、音楽、舞台、映像など多岐にわたる分野で精力的に批評活動を展開され、またドノソ文学を熱烈に支持されている佐々木敦さんをお招きし、ドノソの作品をはじめ、ガルシア=マルケス、バルガス・ジョサ、フエンテスなどラテンアメリカ文学ブームの巨匠たちの魅力に様々な角度から迫っていただきます。【講師紹介】寺尾 隆吉(てらお りゅうきち)1971年生まれ。フェリス女学院大学准教授。専攻は現代ラテンアメリカ文学。主な著書に、『魔術的リアリズムー20世紀のラテンアメリカ文学』(水声社、2012)。主な訳書に、カブレラ・インファンテ『TTT』(現代企画室、2014)、ガルシア=マルケス、バルガス・リョサ『疎外と叛逆』(水声社、2014年)、ホセ・ドノソ『境界なき土地』(水声社、2013年)、カルロス・フエンテス『澄みわたる大地』(現代企画室、2012年)など多数。佐々木 敦(ささき あつし)1964年生まれ。批評家。早稲田大学文学学術院教授。HEADZ代表。映画美学校批評家養成ギブス主任講師。主な著書に、『ex-music(L)』『同(R)』(アルテス・パブリッシング、2014)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン、2014)、『シチュエーションズ』(文藝春秋、2013)『批評時空間』(新潮社、2012)、『未知との遭遇 無限のセカイと有限のワタシ』(筑摩書房、2011)、『小説家の饒舌』(メディア総合研究所、2011年)他多数。9月に『あなたは今、この文章を読んでいるーパラフィクションの誕生』(慶応義塾大学出版会)を刊行。
――歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 山城 むつみ(文芸評論家、東海大学文学部文芸創作学科専任教授) 岡和田 晃(文芸評論家、ライター)@ジュンク堂池袋本店
2014/9/24収録『小林秀雄とその戦争の時 『ドストエフスキイの文学』の空白』(新潮社)×『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学』(未來社)発売記念イベント山城 むつみ(文芸評論家、東海大学文学部文芸創作学科専任教授)岡和田 晃(文芸評論家、ライター)2014年7月、デビュー作「小林批評のクリティカル・ポイント」と対になる『小林秀雄とその戦争の時 『ドストエフスキイの文学』の空白』(山城むつみ、新潮社)に、文学史の闇に埋もれた反骨の作家の作品と生涯をまとめた『向井豊昭の闘争異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学』(岡和田晃、未來社)が、それぞれ刊行されました。これらは共に、分析対象とするテクストを愚直に読み込み、その視座をもって歴史の暗部に対峙することで、現在への洞察を獲得しようと試みた批評の書となっています。排外主義に席捲されて「ますます危ない国になりつつある今」、「戦争の時」に向き合った人間たちの姿から、何を学ぶことができるのでしょうか? 文学、そして批評というアプローチには、いかなる可能性が残されているのでしょうか?山城むつみ氏と岡和田晃氏が、自分たちの著書に引きつけながら対話します。【講師紹介】山城むつみ(やましろ・むつみ)文芸評論家、東海大学文学部文芸創作学科専任教授。1960年、大阪府生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。1992年、「小林批評のクリティカル・ポイント」で第35回群像新人文学賞評論部門受賞。2010年、『ドストエフスキー』(講談社)で、第65回毎日出版文化賞を受賞。著書に『文学のプログラム』(講談社文芸文庫)、『転形期と思考』(講談社)、『連続する問題』(幻戯書房)、共著に『文学は〈人間学〉だ』(笠間書院)等がある。岡和田晃(おかわだ・あきら)文芸評論家、ライター。1981年、北海道生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程在学中。2010年、「「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために」で第5回日本SF評論賞優秀賞受賞。著書に『アゲインスト・ジェノサイド』(アークライト/新紀元社)、『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード/書苑新社)、編著に『北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』(寿郎社)、『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』(未來社)等がある。
「この国の「貧しさ」って、なんだろう? 佐野 章二(有限会社ビッグイシュー日本代表・CEO)×雨宮 処凛(作家・活動家)@ジュンク堂池袋本店
2014/10/8収録-「THE BIG ISSUE」バックナンバーフェア記念 トークイベント-佐野 章二(有限会社ビッグイシュー日本代表・CEO)雨宮 処凛(作家・活動家)2013年、特定秘密保護法案が成立した際、生活保護法の改正案も成立しました。1950年に同法が成立して以来、初の本格的な改正と言われています。改正法案では、制度申請時の手続きの変更と扶養義務の強化が特徴と指摘され、内容としては就労による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うことが盛り込まれています。これまで手薄だった現役世代に向けた自立支援の後押しを強化すると言われる一方で、生活保護申請時の手続きの変更や、扶養義務の強化について、関係識者らは強い懸念を示している状況も指摘されています。ともすれば、これらの問題は私たちの生活とあまり関わりがないかのような報道がなされることも見受けられますが、今を生きる私たちひとりひとりにとって、「生活」に関する問題として、看過できない話題を含むものではないでしょうか?そこで今回、活動11年目を迎えたビッグイシュー日本代表の佐野章二氏と、多くの社会問題に対し積極的なコミット・発言を続けておられる雨宮処凛氏をお迎えし、日本社会における貧困問題・ホームレス問題を焦点に、これまでとこれからの私たちの「生活」に関わるお話を、ささやかではありますが存分に語って頂ければと思います。*「THE BIG ISSUE」バックナンバーフェアは、1F雑誌フロア壁面Aにて、9/11~11/10まで開催致します。佐野章二(さの しょうじ)有限会社ビッグイシュー日本代表・CEO。1941年大阪生まれ。都市計画プランナーの仕事を経て、2003年5月より現職。NPO法制定関連の基礎調査、NPO支援センターの立ち上げ支援、阪神・淡路大震災時には三つの救援組織立ち上げ支援などを行う。2003年9月、ホームレスの仕事をつくり自立を応援する雑誌『ビッグイシュー日本版』を大阪で創刊。累計販売冊数は642万冊、販売者にもたらした収入は9億1,677万円(2014年6月末現在)。2007年NPO法人ビッグイシュー基金(2012年6月より認定NPO法人)設立。2010~2011年、内閣府「新しい公共」円卓会議の委員を務める。雨宮処凛(あまみや かりん)1975年、北海道生まれ。作家・活動家。愛国パンクバンドボーカルなどを経て、00年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)を出版し、デビュー。以来、若者の「生きづらさ」についての著作を発表する一方、イラクや北朝鮮への渡航を重ねる。 06年からは新自由主義のもと、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。3・11以降には脱原発運動にも取り組む。「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」編集委員、「フリーター全般労働組合」組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長。『ビッグイシュー日本版』にて、「世界の当事者になる」を連載中。現在、190回を迎える。
洋書コンシェルジュ渡辺由佳里さんトークイベント 続・洋書ベスト500~雑読のすすめ~@ジュンク堂池袋本店
2014/10/16収録渡辺 由佳里(洋書コンシェルジュ)『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)の発売から1年。アメリカ在住の著者渡辺由佳里さんが、児童書から歴史ノンフィクションまでいろいろなジャンルを読む重要さ、自分にあった本の選び方、英語での読書を継続する方法、お子さんへの洋書の薦め方などを、アメリカの出版事情や人気作家についての情報、アメリカ国際ブックフェアのレポートなどを交えながらご紹介します。2014年度新刊や期待の新作など、最新情報もたっぷりとお話いただきます。【講師紹介】渡辺由佳里(わたなべ・ゆかり)2001年『ノーティアーズ』で第7回小説新潮長篇新人賞を受賞。翌年『神たちの誤算』を新潮社から出版。短篇、現代詩、エッセイ、ルポ、翻訳など著作活動は多岐にわたる。2008年末よりブログ「洋書ファンクラブ」で新刊を中心に洋書を日本語で紹介している。1995年よりアメリカに移住し、現在はボストン郊外で夫と娘の3人暮らし。 著書に『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)、『ゆるく、自由に、そして有意義に――ストレスフリー・ツイッター術』(朝日出版社)、翻訳書に糸井重里氏監修の『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)など。洋書ファンクラブ http://watanabeyukari.weblogs.jp/yousho/Twitterアカウント @YukariWatanabe
~グローバル時代に小林秀雄を読む~ 浜崎 洋介×柴山 桂太@ジュンク堂池袋本店
2014/10/18収録『アフター・モダニティ――近代日本の思想と批評』(北樹出版)刊行記念浜崎 洋介(文芸批評家、日本大学芸術学部非常勤講師)柴山 桂太(滋賀大学経済学部社会システム学科准教授)明治の文明開化から七十年――日本の近代は小林秀雄の批評の言葉を生んだ。そして、戦後という第二の文明開化から現在までもおよそ七十年。果たして私たちは小林秀雄に匹敵する言葉をどれほど持ち得ているのか。文化・文学にも造詣が深いグローバリズム批判の旗手・柴山桂太氏をゲストに迎え、小林秀雄や夏目漱石ら近代日本の文学者たちがなした文明批評の現代的意義を語り合う。【講師紹介】浜崎 洋介(はまさき・ようすけ)1978年生まれ。文芸批評家。日本大学芸術学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了、博士(学術)。現在、日本大学芸術学部非常勤講師。著書に『福田恆存 思想の〈かたち〉――イロニー・演戯・言葉』(新曜社、2011年)、編著に福田恆存アンソロジー『保守とは何か』(文春学藝ライブラリー、2013年)など。柴山 桂太(しばやま・けいた)1974年東京都生まれ。京都大学経済学部卒。同大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、滋賀大学経済学部准教授。著書に『静かなる大恐慌』(集英社新書)など。
~日本も竜巻大国って本当?~ 森田 正光(気象予報士)× 森 さやか(気象予報士)@ジュンク堂池袋本店
2014/10/14収録『竜巻のふしぎ』刊行記念森田 正光(気象予報士)森 さやか(気象予報士)日本も竜巻大国って本当? 実は,面積あたりでみるとアメリカで発生する竜巻の半分の数の竜巻が日本でも発生しています。この意外と身近な竜巻について,日本一わかりやすい気象の解説者 森田正光氏とアメリカの竜巻に詳しいNHK Worldの気象キャスター 森さやか氏が,その不思議な実態をわかりやすく解説します。竜巻発生のしくみやその予測,竜巻から身を守る方法,竜巻が起こすミステリー,Fスケールを発明した藤田哲也博士の生涯など,竜巻について一通り学べる90分です。万が一,自宅の近所で竜巻が発生しても,自分や家族を守れるような知識を身に付けておきましょう。※森田さんはテレビ出演があるため,20時頃からの登壇となります。【講師紹介】森田 正光(もりた まさみつ)1950年名古屋市生まれ。(財)日本気象協会勤務を経て,1992年初のフリーお天気キャスターとなる。同年,民間の気象会社(株)ウェザーマップ,2002年には気象予報士受験スクール(株)クリアを設立。親しみやすいキャラクターと個性的な気象解説で人気を集め,テレビやラジオ出演のほか全国で講演活動も行っている。(公財)日本生態系協会理事,環境省「地球いきもの応援団」メンバー。主な著書に「空と天気のふしぎ109」(偕成社),「ゼロから理解する気象と天気のしくみ」(誠文堂新光社),「大手町は,なぜ金曜に雨が降るのか」(梧桐書院)ほか。森 さやか(もり さやか)アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。日本女子大大学院心理学専攻博士前期課程修了。在日米国商工会議所勤務を経て,2011年よりNHK国際放送「NHKWorld」気象キャスター。(株)ウイング所属。気象予報士。日本気象予報士会会員,日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。
読むことのはじまりに向かって? 佐々木 敦 (批評家、早稲田大学学術院教授) 渡部 直己 (文芸評論家、早稲田大学学術院教授)@ジュンク堂池袋本店
2014/10/22収録『あなたは今、この文章を読んでいる。 ―パラフィクションの誕生』(慶應義塾大学出版会)刊行記念トークイベント佐々木 敦 (批評家、早稲田大学学術院教授)渡部 直己 (文芸評論家、早稲田大学学術院教授)円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、舞城王太郎等、SFを中心にメタフィクションを徹底的に分析し、新たに「パラフィクション」なるものを導き出した『あなたは今、この文章を読んでいる。――パラフィクションの誕生』。同書の刊行を記念し、著者の批評家・佐々木敦氏と、『日本小説技術史』(新潮社)等多数の著書のある、文芸批評の重鎮・渡部直己氏のお二人に、「読むことの」の原点に立ち返りながら、現代小説と批評の「今」と「これから」について語っていただきます。【プロフィール】佐々木 敦 ささき・あつし1964年名古屋市生まれ。批評家、早稲田大学文学学術院教授、音楽レーベルHEADZ主宰。20年以上にわたり、音楽、文学、映画、演劇などの批評活動を行なう。著書に『即興の解体/懐胎』(青土社、2011年)、『未知との遭遇』(筑摩書房、2011年)、『批評時空間』(新潮社、2012年)、『シチュエーションズ』(文藝春秋、2013年)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン、2014年)など多数。渡部直己 わたなべ・なおみ1952年東京生れ。早稲田大学文学学術院教授。著書に、『中上健次論――愛しさについて』(河出書房新社、1996年)『不敬文学論序説』(太田出版、1999年/ちくま学芸文庫、2006年)『かくも繊細なる横暴――日本「六八年」小説論』(講談社、2003年)『私学的、あまりに私学的な』(ひつじ書房、2010年)、『日本小説技術史』(新潮社、2012年)、『言葉と奇蹟――泉鏡花・谷崎潤一郎・中上健次』(作品社、2013年)など多数。
三島由紀夫が愛したスポーツ、その知られざるボクシング愛 山内 由紀人(著者)×福島 泰樹(歌人)@ジュンク堂池袋本店
2014/10/28収録山内由紀人著『三島由紀夫の肉体』(河出書房新社)刊行記念トークセッション山内 由紀人(著者)福島 泰樹(歌人)三島由紀夫は幼い時から虚弱体質であり、スポーツとは無縁の青春時代を過ごしました。人気作家になってからも頭痛や胃痛に悩まされ、そんなことから健康のためにと30歳で始めたのがボディビルでした。ボディビルによって健康的な肉体を得た三島は、1年後にはついに念願だったボクシングに挑戦します。しかし作家にはあまりに危険で激しすぎるためわずか数か月で断念、それからは一人のボクシング・ファンとして声援をおくり、ボクサー達との交流を深め、また戦後の名勝負といわれたタイトルマッチの観戦記を、死の直前まで書き続けました。 ボクシングに挑戦した後には、剣道、居合、空手などの修練を積み、文壇きってのスポーツ通と言われるまでになりました。1964年の東京オリンピックでは、新聞社の特派記者を務め、三島らしい流麗な文章でスポーツの魅力と肉体の美しさを伝えています。 今回のトークセッションでは、三島とスポーツとの関わりを、さまざまなエピソードを交えて語ります。スポーツはまさに、三島の文学、美学、思想、行動の核にある肉体の表現そのものでした。特にボクシングには、三島の“肉体の原点”ともいえる世界があります。スポーツと肉体という視点から、今まであまり語られてこなかった三島の一面にスポットライトを当てるトークセッションです。【講師紹介】●山内由紀人(やまうち ゆきひと)文芸評論家。1952年生まれ。1984年「生きられた自我 高橋たか子論」で第27回群像新人文芸賞優秀作受賞。著書に『三島由紀夫の時間』(ワイズ出版)、『神と出会う 高橋たか子論』(書肆山田)、『三島由紀夫VS.司馬遼太郎 戦後精神と近代』(河出書房新社)『三島由紀夫、左手に映画』(同前)、編著に『三島由紀夫映画論集成』(ワイズ出版)、『三島由紀夫 ロゴスの美神』(岳陽舎)などがある。●福島泰樹(ふくしま やすき)歌人。1943年生まれ。1969年 歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー。歌謡の復権と肉声の回復を求めて「短歌絶叫コンサート」を創出し、毎月10日、東京吉祥寺・曼荼羅にて月例コンサートを開催中。主な歌集に『血と雨の歌』(思潮社)、『焼跡ノ歌』(砂子屋書房)、『福島泰樹全歌集』(河出書房新社)など。最新作は『もっと電車よ、まじめに走れ わが短歌史』(角川学芸出版)、『中原中也の鎌倉』(冬花社)。評論、小説、朗読など活動は多岐にわたり、著作は90点を超える。また、チーフ・セコンドとしてタイトルマッチのリングに上るほどのボクシング・ファンとして知られ、『黄金の獅子 辰吉丈一郎※』(彩流社)、『荒野の歌――平成ボクサー列伝』(河出書房新社)などのボクシング関連の著作もある。※正しくは「吉」は土に口、「丈」は右上に点がつく。
『毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの』(幻冬舎刊)刊行記念トークイベント 新井 文彦(きのこ写真家) × 白水 貴(菌類研究者)@ジュンク堂池袋本店
2014/11/5収録新井 文彦(きのこ写真家) × 白水 貴(菌類研究者)魅力あふれる毒きのこを43種掲載したビジュアルブック『毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの』が刊行となります。今回は刊行を記念して、写真を担当した新井文彦氏と、監修を担当した白水貴氏によるトークイベントを開催。北海道・阿寒の森を中心に撮影された毒きのこのかわいらしい姿を紹介しつつ、ナゾだらけの生態を解説してゆきます。・大発生中の毒きのこ「カエンタケ」はどれぐらい危険?・毒きのこの撮影はどうやって行うのか?・毒きのこを見分けるコツはあるのか?・・・・・・・など。【講師紹介】新井 文彦(あらい ふみひこ)1965年生まれ。きのこ写真家。明治大学文学部卒業。著書に『きのこの話』(ちくまプリマー新書)がある。ライター業、コピーライター業に加え、夏から秋にかけては、北海道・道東地方で、ネイチャーガイドにもいそしむ。おもなフィールドは阿寒の森。各地で写真展やトークショーなども行っている。森の空気まで感じられる写真と言葉で、きのこや森の魅力を伝えている。ほぼ日刊イトイ新聞にて「きのこの話」連載中。ウェブサイト「浮雲倶楽部」http://ukigumoclub.com/白水 貴(しろうず たかし)1981年生まれ。博士(理学)。国立科学博物館植物研究部。日本学術振興会特別研究員。専門は菌類の分類学,生態学,進化学。弘前大学農学生命科学部卒業。筑波大学大学院生命環境科学研究科修了。同 博士特別研究員、鳥取大学農学部GCOEプロジェクト研究員、同 助教を経て現職。研究のかたわら、書籍や雑誌への寄稿、一般向けの講演や観察会の講師など、菌類とその研究の面白さを伝え広める活動を行っている。ウェブサイト「白水の穴」https://sites.google.com/site/ornithomyces/
真山仁スペシャルトークvol.12 『売国』~わが国の宇宙開発と戦後政治の闇 ―『売国』(文藝春秋)刊行記念トークイベント― 真山 仁(作家)@ジュンク堂池袋本店
2014/11/11収録真山 仁(作家)国破れて正義あり。正義ありて国甦り。『ハゲタカ』から10年――。真山仁が挑む新たなる境地!ある疑獄事件と友の失踪──特捜部の若き検察官冨永は、宇宙開発を巡る戦後政治の闇に迫っていく。社会派長編の傑作誕生!大ベストセラーシリーズ『ハゲタカ』シリーズをはじめ、震災後の原発政策とリーダーシップのあり方を問う『コラプティオ』、農薬と日本の食の暗部に迫る『黙示』など、現代の日本社会が抱える問題に正面から挑みつつ、最上級のエンターテインメント小説を精力的に発表しつづける真山仁さん。2014年秋、作家生活10周年記念刊行の第一弾として、超弩級の謀略小説、社会派長編が誕生しました。今回の主人公は、気鋭の検察官・冨永真一と、宇宙開発に挑む若き女性研究者・八反田遥。物語は二人の視点から描かれていきます。遙は幼い頃から宇宙を夢見、日本の宇宙開発を担う研究者になるべく日々奮闘中。宇宙開発研究所(宇宙セン)の指導教官・寺島に導かれ、我が国の宇宙開発の現状と問題点を目の当たりにします。それは宇宙開発の世界が生き馬の目を抜く世界であり、同盟国・アメリカとの関係の複雑さに触れることでもあります。一方の冨永は、形勢不利だった殺人事件の裁判を検察勝利に導いた功績を認められ、特捜部に配属されます。粘り強く次々に成果を出していく冨永でしたが、大学時代の親友の失踪を機に、奇妙な疑獄事件に巻き込まれていきます。そしてその陰謀には、戦後の日本復興を支えた大物政治家の影があった……。正義とは何か? 国益とは何か? 精緻な描写と骨太のストーリーに、誰もがページを繰る手を止められなくなるはず。日本の社会派小説の歴史は、ここからまた始まります!【講師紹介】真山仁 Mayama Jin1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収をめぐる熱き人間ドラマ『ハゲタカ』でデビュー。2007年に『ハゲタカ』『ハゲタカⅡ(『バイアウト』改題)』を原作とするNHK土曜ドラマ『ハゲタカ』が放映され、大きな反響を呼ぶ。同ドラマは国内外で多数の賞を受賞した。他の著書に『虚像の砦』『マグマ』『ベイジン』『プライド』『黙示』『コラプティオ』『グリード』『そして、星の輝く夜がくる』などがある。公式ホームページ http://www.mayamajin.jp/
いま何が起きているのか --日本社会の「生命力」と希望の行方 平野 啓一郎(作家) ×大澤 真幸(社会学者)@ジュンク堂池袋本店
2014/10/18収録平野 啓一郎(作家)大澤 真幸(社会学者)7年ぶりのエッセイ&対談集『「生命力」の行方--変わりゆく世界と分人主義』を刊行した平野啓一郎氏。本書収録の対談で、震災半年後の日本社会について語り合った社会学者の大澤真幸氏と、今、私たちの社会に何が起きているのか、現代を生きるための希望とは何か、ふたたび対談していただきます。【講師紹介】平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)作家。1975年、愛知県生まれ。北九州市で育つ。京都大学法学部卒業。98年、「日蝕」でデビュー。同作で第120回芥川賞を受賞。2009年、『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、『ドーン』で第一九回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。ほかの著書に、小説『葬送』『高瀬川』『滴り落ちる時計たちの波紋』『顔のない裸体たち』『あなたが、いなかった、あなた』『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』などのほか、エッセイ『文明の憂鬱』『モノローグ』『私とは何か--「個人」から「分人」へ』、対談集『ディアローグ』などがある。公式サイト http://www.k-hirano.comfacebook https://www.facebook.com/hiranokftwitter https://twitter.com/hiranok大澤真幸(おおさわ・まさち)社会学者。1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。思想誌『THINKING「O」』主宰。2007年、『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎との共著)で新書大賞2012を受賞。ほかに『不可能性の時代』『社会は絶えず夢を見ている』『近代日本のナショナリズム』『夢よりも深い覚醒へ』『思考術』『<世界史>の哲学』など著書多数。共著に『おどろきの中国』『ゆかいな仏教』などがある。最新刊は『<問い>の読書術』。
小説、世界観の提示 山下 澄人(作家)×保坂 和志(作家)@ジュンク堂池袋本店
2014/11/13収録『ルンタ』(講談社)刊行記念トークセッション山下 澄人(作家)保坂 和志(作家)【寝る前にルンタを少しずつ読む、楽しい、人間より馬を愛し、生より死後を重視した、歴史の彼方に消えた世界が眠りに溶け込む──小説とは筋を聞くだけでわかる事件や人物を描くなんて小さいものでなく、小説とは世界観の提示だ!(保坂和志氏)】十月二十八日に、山下澄人さんの新刊、『ルンタ』が刊行されました。これを記念して、山下澄人さんと帯文を寄せて下さった保坂和志さんのお二人が、「小説、世界観の提示」をテーマに小説の書き方からもっと小説を楽しむ方法までを語って頂きます。【講師紹介】山下澄人兵庫県出身。神戸市立神戸商業高等学校(現神戸市立六甲アイランド高等学校)卒。倉本聰の富良野塾第二期生。1996年より劇団FICTIONを主宰。2011年より小説を発表しはじめ、2012年「ギッちょん」で第147回芥川賞候補、同年初の創作集『緑のさる』で第34回野間文芸新人賞を受賞。2013年「砂漠ダンス」で第149回芥川賞候補。同年、「コルバトントリ」で第150回芥川賞候補。保坂和志1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。90年『プレーンソング』でデビュー。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞。95年『この人の閾』で芥川賞受賞。97年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。著書に『小説の自由』『カフカ式練習帳』『考える練習』『朝露通信』等多数
『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局)刊行記念 トークセッション 田中 功起×清水 知子@ジュンク堂池袋本店
2014/11/25収録田中 功起(著者・現代美術家)清水 知子(筑波大学大学院准教授(比較文学・文化理論)) 第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)日本館代表アーティストとして特別表彰を受賞した田中功起さんと、筑波大学大学院准教授で比較文学・文化研究者の清水知子さんによるトークセッションです。 はじまりは、「清水知子さんと、アートの公共性/社会の中でのアートというテーマで話したい」という田中さんのひとことでした。清水さんはスラヴォイ・ジジェクやアントニオ・ネグリなどの文化理論や、英国現代文化、アニメーション等の現代文化比較研究を専門とし、『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社)を昨年上梓されました。〈サッチャー政権以後の「社会のない社会」と呼ばれた時代を、人びとはどのように生き、そこから何を生み出したのか〉。これは『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』の帯文です。 田中さんと清水さんのトークセッションは、平熱で沸騰するような刺激的な時間となるでしょう。【講師紹介】●田中功起(たなか・こおき)2000年、東京造形大学美術科絵画専攻卒。2005年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。ロサンゼルス在住。田中功起は日常のシンプルな行為に潜在する文脈を、映像やパフォーマンスを通じて、視覚化、分節化する実践を試みる。第55回ヴェネチア・ビエンナーレ特別表彰を受賞した日本館展示「抽象的に話すこと―不確かなものの共有とコレクティブ・アクト」もまた日常性から東日本大震災を問うものだった。同国際展以降も、『映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める』(京都国立近代美術館、東京国立近代美術館)やフリーズ・ニューヨークのプロジェクツのほか、ロンドンの現代美術センター(ICA)で開催中の企画展『Journal』、ファン・アッベ市立美術館(アイントホーフェン)で開催中の企画展『Positions-Five projects in dialogue』への参加と活動の幅を広げている。 また、Art Review Asiaへのインタビュー掲載時にテキストを用いた「インポッシブル・プロジェクト」を誌上およびインターネット上で展開するなど、従来の物理的な展示空間に限定されない活動も積極的に行なっている。2014年7月5日ドイツ銀行グループの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー2015」に選出されたが、それは、現在の美的および政治的な試みにおける重要な問題のひとつである「共同体の形成」に対する独創的なアプローチが評価されたもので、来年3月からベルリンのクンストハレで個展が開催される。●清水知子(しみず・ともこ)2001年、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、筑波大学大学院准教授。専門は、比較文学・文化理論、メディア文化論。『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社、2013年)共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社、2008年)ほか。訳書にデイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店、2004年)、スラヴォイ・ジジェク『ジジェク自身によるジジェク』(河出書房新社、2005年)、ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』(共訳、月曜社、2008年)、同『権力の心的な生』(共訳、月曜社、2012年)、ネグリ+ハート『叛逆―マルチチュードの民主主義宣言』(共訳、NHKブックス、2013年)ほか。
内外の専門学者が気づいていない日本語運用の巧妙なメカニズム 小松英雄(日本語学者)@ジュンク堂池袋本店
2014/11/15収録○日本語に清音と濁音との二項対立があることは日本人にとって当然のことなので、それが世界で唯一のすばらしい運用システムであることに気づいていないし、どこの言語にもない現象であるために、外国人の学者は自国の言語の音韻体系のなかにある音に当てはめて理解してしまい、日本語にそういう珍しい対立があることを見逃している。○古典文法で《係り結び》とよばれている現象も日本語だけにしかないために、外国の言語学者に干渉されることなく、また、学校教育でも国語学者が取り違えた機能を教えて学習者を苦しめている。○音便や連濁についても同様である。○悪い意味で日本独特である古典文法や、古典文学作品の浅薄きわまる解釈の横行は、専門学者がテクストをきちんと読まずにつまみ食いして論を立てていることに起因している、《読まないから読めない、読めないから読まない》の悪循環を断ち切って、正統の手順を踏んだ研究成果を世に送ることが研究者に課せられた任務である。○以上のことを、実例をあげて、また、用語についても、わかりやすく説明する。※本トークセッションは、小松英雄『日本語を動的にとらえる ことばは使い手が進化させる』(笠間書院、2014年11月)刊行記念として行ったものです。【講師紹介】小松英雄(こまつ・ひでお)1929年生まれ。筑波大学名誉教授。日本語学者。著書に、国語史学基礎論(笠間書院)、いろはうた(中公新書)、徒然草抜書(講談社学術文庫)、やまとうた(講談社)、仮名文の構文原理(笠間書院)、日本語書記史原論(笠間書院)、日本語はなぜ変化するか(笠間書院)、日本語の歴史 青信号はなぜアオなのか(笠間書院)、古典再入門 「土左日記」を入りぐちにして(笠間書院)、丁寧に読む古典(笠間書院)、伊勢物語の表現を掘り起こす 《あづまくだり》の起承転結(笠間書院)、平安古筆を読み解く 散らし書きの再発見(二玄社)、等がある。
なぜ農業は儲かるのか? 金子 勝(経済学者)×武本 俊彦(食と農の政策アナリスト)@ジュンク堂池袋本店
2014/11/19収録金子 勝/武本 俊彦『儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ』(集英社新書)刊行記念金子 勝(経済学者)武本 俊彦(食と農の政策アナリスト)農業は「儲からない産業」と言われています。そこに追い討ちをかけるようにTPP交渉が政府主導で進行中。これに対抗するためには大規模集約化するしかないと思われていますが、実は小規模兼業農家こそ生き残る可能性が高いのです。なぜ「小規模」なのか? そして何を「兼業」するのか?日本の農業の未来を、経済学者・金子 勝氏と食と農の政策アナリスト・武本俊彦氏が語り尽くします。二人は、これからの農業を担うのは大企業ではなく地域に根ざした個人であると断言。つまり誰にでも可能性が開かれているのです。脱原発などにも言及しますので、農業に関心のある方だけでなく、電力問題に興味のある方もぜひご覧ください。金子勝(かねこまさる)経済学者。1952年東京都生まれ。慶応大学経済学部教授。専門は財政学、制度経済学、地方財政論。武本俊彦(たけもととしひこ)食と農の政策アナリスト。1952年東京都生まれ。1976年農林省入省。2011年農林水産政策研究所長。
『アーカイブ立国宣言 日本の文化資源を活かすために必要なこと』(ポット出版)刊行記念対談 吉見 俊哉(東京大学大学院情報学環教授)×福井 健策(弁護士)@ジュンク堂池袋本店
2014/12/8収録吉見 俊哉(東京大学大学院情報学環教授)福井 健策(弁護士)東京オリンピックを控え、日本から世界に情報発信するための「知のインフラ」をどう構築していくか?2014年11月14日発売の『アーカイブ立国宣言 日本の文化資源を活かすために必要なこと』(ポット出版)の刊行を記念して、本の監修者である吉見俊哉さん、福井健策のお二人に、日本のデジタルアーカイブの未来について語っていただきます。吉見俊哉(東京大学大学院情報学環教授)1957年生まれ。東京大学大学院情報学環教授。東京大学副学長、東京大学文書館副館長を兼任。社会学・文化研究。カルチュラル・タイフーン学会代表。著書に、『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『大学とは何か』等、多数。福井健策(弁護士)1965年生まれ。弁護士/ニューヨーク州弁護士。東京大学法学部卒。コロンビア大学法学修士。骨董通り法律事務所 for the Arts 代表パートナー。日本大学芸術学部客員教授。think C 世話人。最新刊 『誰が「知」を独占するのか デジタルアーカイブ戦争』(集英社新書)。
太陰太陽暦……嗚呼、天文学の申し子にしてきわめて日本的なもの 鳴海 風(作家)@ジュンク堂池袋本店
2014/12/16収録『星に惹かれた男たち――江戸の天文学者 間重富と伊能忠敬』(日本評論社)出版記念トークセッション鳴海 風(作家)二十四節気や七十二候で人気の太陰太陽暦は、旧暦ともいわれ日本的で古風なイメージがあるが、実は天文学の知識なくして作ることができないカレンダーである。そして、古くは日本人初の太陰太陽暦を作った渋川春海(しぶかわはるみ)、西洋天文学を応用した高橋至時(たかはしよしとき)と独自の天文からくり時計を発明した間重富(はざましげとみ)や、天体測量を併用して高精度な日本地図を作った伊能忠敬(いのうただたか)など、太陰太陽暦の周囲にいた、天文学にのめりこんだ多彩な男たちを紹介する。【講師紹介】鳴海 風(なるみ ふう)1953年新潟県生まれ。和算小説家。1992年、『円周率を計算した男』で歴史文学賞を受賞して作家デビュー。以後、江戸時代の日本の数学「和算」を題材にした作品を書き続けている。主な作品に『算聖伝』『怒濤逆巻くも』『ラランデの星』『和算忠臣蔵』『星空に魅せられた男』『江戸の天才数学者』など。ビジュアル講演も得意。今回はジュンク堂通算7回目のトークセッションである。2006年日本数学会出版賞受賞。関孝和数学研究所研究員。
12万人がはまった! イムラン流 英語上達法 イムラン・スィディキ(コペル英会話教室校長)@ジュンク堂池袋本店
2014/12/12収録明日香出版社 『人気バイリンガル講師イムラン先生のネイティブにきちんと伝わる英会話レッスン』刊行記念イムラン・スィディキ(コペル英会話教室校長)YouTubeの「英語英会話一日一言」で話題のイムラン先生の生レッスンを受けるまたとないチャンスです! イムラン先生の動画はYouTubeにてのべ500万回以上再生されており、英語学習ファンの間で大変な人気を博しています。講義の特長は、フレンドリーでかざらないのに、ニュアンスや発音までしっかりとじっくりと教えてくれるところ! 「英会話に行きたいけど勇気が出ない」「英会話に通ったはいいけど、ネイティブ講師を前にいつも“フリーズ”してしまう」「ネイティブらしいかっこいい言い回しで喋れるようになりたい」…そんな方にオススメのトークセッションです。【講師紹介】イムラン・スィディキ(コペル英会話教室校長)1976年生まれ。上智大学大学院時代に様々な英会話スクールで教え、人気講師になる。卒業後、青山監査法人に就職するも、英語教育への情熱が冷めず、2003年にコペル英会話教室を創立。mixiコミュニティ「英語英会話一日一言」は登録者が10万人を超える。YouTubeでの「英語英会話一日一言」(2014年11月でチャンネル登録者31,945 人/のべ再生回数 5,738,479 回)は日々更新中で、ニュアンスや発音まで丁寧にユーモアを交えながら解説した動画にどっぷりとはまるファンが多い。開校当時から掲げている信念は「誰にも英語を諦めさせてはいけない」。2014年4月に銀座校をオープン。主な著書に『これを読むまで英語はあきらめないでください!』(大和書房)『一日一言 英会話が続くサーブ&レシーブトレーニング【音声DL付】』(KADOKAWA/中経出版)などがある。
アキコさんは私だ!? 金井 美恵子(小説家)@ジュンク堂池袋本店
2014/12/18収録金井 美恵子(小説家)金井美恵子さん、待望の最新長篇『お勝手太平記』は書簡形式の小説です。読書と手紙を書くのが趣味の熟年女性・アキコさんが、女学校時代の同級生らに書きまくった50通に及ぶ手紙は、脱線を繰り返し、いたるところに意地悪を挟みながら、時に鋭い文芸批評にもなっています。金井ファンならばピンとくるでしょうが、このアキコさん、『快適生活研究』ですでに顔見せをしています。また、手紙の受け取り手のひとり、佐藤絵真は、『文章教室』で小説の勉強をしていた彼女です。ほかにも著者ならではの小説的たくらみに満ちた、抱腹絶倒の本作について、アキコさんと一部「基本的に同じ考え」という著者が存分に語ります。【講師紹介】金井美恵子(かない・みえこ)1947年高崎市生まれ。小説家。67年「愛の生活」でデビュー。68年に現代詩手帖賞を受賞。小説、エッセイ、評論など幅広い執筆活動で知られる。著書に『プラトン的恋愛』(泉鏡花文学賞受賞)、『タマや』(女流文学賞受賞)、『噂の娘』、『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』、『金井美恵子エッセイ・コレクション〔1964‐2013〕』(全4巻)など。
<深海、もうひとつの宇宙> 北里 洋((独)海洋研究開発機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長)@ジュンク堂池袋本店
2015/1/7収録『深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場』(岩波書店)刊行記念北里 洋((独)海洋研究開発機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長)「『しんかい6500』、伝説のアトランティス大陸の痕跡を発見か?」 2013年5月上旬、メディアを騒がせたニュースを覚えていますか。この「発見者」が、『深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場』刊行を記念してトークイベントを行いました。 (独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、2013年に潜水調査船「しんかい6500」による1年がかりの研究航海を行いました。太平洋、インド洋、大西洋(カリブ海)の生態系の、地球的規模の調査・研究です。本はその記録です。深海には400℃を超える熱水、メタン・硫化水素を含む湧水、1万mを超える超深海海溝域などの極限的な世界が広がり、それぞれの場所に適応して特殊な機能をもつ「常識はずれ」の生物が生息していました。それは、ホネクイハナムシや巨大ヨコエビだけではありません。北里さんは、地球に残された最後のフロンティアで何を感じたのでしょう。本では語れなかった、血湧き肉躍る冒険と数々の発見の裏話を、スライドやビデオをお見せしながらお伝えします。《北里洋(きたざと・ひろし)》1948年東京都生まれ.1976年東北大学大学院理学研究科博士課程修了.静岡大学理学部教授,(独)海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域 領域長などを経て,現在,同機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長.専門は地質学,地球生命科学,深海生物学,海洋微古生物学.2010年日本古生物学会賞(横山賞)受賞.著書に『日本の海はなぜ豊かなのか』(岩波書店),共編著書に『地球の進化・生命の進化』(裳華房),『古生物の総説・分類』(朝倉書店),『地球生物学』(東京大学出版会),『古生物学事典(第2版)』(朝倉書店)などがある.趣味は音楽鑑賞。
現代社会に生きる古代人 田 原(ティエン・ユアン)(詩人)× 高橋 睦郎(詩人)@ジュンク堂池袋本店
2015/1/13収録現代詩文庫「続続・高橋睦郎詩集」(思潮社)刊行記念トークショー「ここだけの話」も聴けるトークショー。H氏賞受賞の中国人詩人・田原が、高橋睦郎の詩と人生の魅力を引き出します。普段聞けない話もたっぷり。【講師紹介】高橋 睦郎(詩人)『王国の構造』で藤村記念歴程賞、その後読売文学賞、高見順賞、現代詩花椿賞、詩歌文学館賞を受賞。2000年度紫綬褒章受章。詩の以外にも、俳句、短歌、オペラ、新作能などの分野で精力的に活動している。田(ティエン) 原(ユアン)(詩人・翻訳家)日本語で書かれた詩集に『現代詩文庫 田原詩集』『石の記憶』『そうして岸が誕生した』。中国に日本の現代詩を紹介している。谷川俊太郎の翻訳者としても知られる。共催:ポエムピース株式会社
マルチメディア・アーティストとしてのクリス・マルケル 港 千尋 × 金子 遊 ×東 志保 @ジュンク堂池袋本店
2015/1/15収録『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)刊行記念トーク&レクチャー港 千尋 (写真家・多摩美術大学教授)金子 遊 (批評家・映像作家)東 志保 (映像研究)スチル写真で構成された近未来SF映画『ラ・ジュテ』(1962)や、八〇年代日本の霊性を捉えた『サン・ソレイユ』(1982)、J=L・ゴダール、アラン・レネらとの共闘など、ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家として知られるクリス・マルケルは、映画に留まることなく、写真、文学、メディア・アート、インスタレーション、アクティヴィズムなどさまざまなメディアを横断してきた。2012年の死後、2013年のポンピドゥー・センターでの大回顧展を皮切りに、山形ドキュメンタリー映画祭での特集上映、2014年ロンドン、ホワイトチャペル・ギャラリーでの回顧展など、その多岐にわたる活動が見直されようとしている。本邦初となるクリス・マルケル論集『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)の刊行を記念して、このトークイベントでは、本書の監修を務めた写真家・港千尋、編者である批評家、映像作家の金子遊と、映像研究者の東志保の三氏をお招きして、これまで日本ではあまり語られることのなかった、クリス・マルケルのマルチメディア・アーティストとしての活動について、各氏が持ち寄る貴重な資料を見せながら、その多岐にわたる創作の謎に迫るトーク&レクチャーイベント。港 千尋(みなと・ちひろ)写真家、多摩美術大学情報デザイン学科教授。『芸術回帰論』(平凡社、2012年)、『革命のつくり方』(インスクリプト、2014年)。金子 遊(かねこ・ゆう)批評家、映像作家。慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師。映像研究、民族誌学。『フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方』(編著、アーツアンドクラフツ、2011年)、『アジア映画で〈世界〉を見る』(共著、作品社、2013年)。東 志保(あずま・しほ)パリ第三大学映画視聴覚研究科博士課程在籍。映像研究、比較文化論。「クリス・マルケルのOuvroirにみられる戦争の記憶」(『年報カルチュラル・スタディーズ』第1号、カルチュラル・スタディーズ学会、2013年)、博士論文「開かれた都市──クリス・マルケルの都市イメージにおける遊歩について」を提出済。
オーガニック・ガーデン 句会ライブ ひきちガーデンサービス 曳地トシ+曳地義治(著者)× 石田郷子(俳人)@ジュンク堂池袋本店
2015/1/23収録『二十四節気で楽しむ庭仕事』(築地書館)刊行記念ひきちガーデンサービス曳地 トシ+曳地 義治(著者)石田 郷子(俳人)五・七・五の十七音・季語を通して見ると、庭仕事も、庭の生き物たちも、自然も、日々の暮らしも、輝きを増すから、あら不思議!無農薬・無化学肥料で個人庭専門に庭づくりをするオーガニック植木屋夫婦が、ひょんなことから俳句に出会ったら、これまで見慣れていたものたちが、生き生きと立ち現われた。俳句歴3年の著者夫婦が、俳句の師匠、石田郷子氏と、本書の中の自作俳句を素材に、俳句、庭仕事、庭の生き物たち、日々の暮らしについて、語りつくす即興句会ライブ。興が乗ったら、会場からも飛び入りOK!身近な自然に触れる楽しみが広がること請け合いです。【講師紹介】●ひきちガーデンサービス 夫婦ふたりで、個人庭を専門に、農薬を使わない病害虫対策を実践するなど、自然環境に配慮した庭づくりとメンテナンスを行っている。本物の素材を生かし、安全で使いやすい庭、バリアフリーガーデン、自然の恵みを利用した循環型の庭づくりなどを地域の中で提案、実践している。●曳地 トシ(ひきち とし)1958年、神奈川県真鶴町生まれ。植木屋のおかみ業にもかかわらず「高い所、泥汚れ、虫」が三大苦だったが、無謀にも現場に出たところ、虫をはじめとする庭の生き物たちの虜になり、今に至る。NPO法人日本オーガニック・ガーデン協会代表理事。●曳地 義治(ひきち よしはる) 1956年、東京都立川市生まれ。子どものころは暇さえあれば、鉛筆で広告の裏に絵を描いていた。木工業、ログビルダーなどを経て、植木職人となる。●石田 郷子(いしだ きょうこ)1958年、東京都生まれ。1986年、山田みづえに師事し俳句を始める。1997年、第一句集『秋の顔』で、第20回俳人協会新人賞を受賞。2004年「椋」を創刊、代表。俳人協会会員。日本文藝家協会会員。
コンセプトアートとエンターテインメントの未来像 富安 健一郎×橋本 善久@ジュンク堂池袋本店
2015/1/31収録エムディエヌコーポレーション刊富安 健一郎、上野 拡覚、ヤップ・クン・ロン著『ファンタジーの世界観を描く コンセプトアーティストの創るゲームの舞台、その発想と技法』刊行記念トークセッション富安 健一郎(著者、INEI代表 コンセプトアーティスト)橋本 善久(元スクウェア・エニックスCTO、現 INEI執行役員プロデューサー)コンセプトアートとは、映画やゲーム、CM、アニメーションなどで使用するイラストレーション。作品の世界観やデザインを統一し、ぶれのない強固な企画とするため、企画初期から終盤まで使われるビジュアル資料です。本書の著者陣を擁する株式会社INEIは、世界最高水準のコンセプトアートを提供するスペシャリストの会社です。ゲーム『ドラゴンクエストX オンライン』『ファイナルファンタジーXI』『メタルギア ライジング リベンジェンス』やアニメ映画『キャプテンハーロック』など有名作品を手がけていることで知られています。本トークセッションでは、INEIのコンセプトアーティスト富安健一郎氏と今年からINEI執行役員に就任した元スクウェア・エニックスCTOの橋本善久氏をお招きし、エンターテインメントの未来像について考えていただきます。 業界関係者の方はもちろん、絵に関わるすべての方が楽しめるセッションです。【講師紹介】●富安 健一郎(とみやす けんいちろう)株式会社INEI代表取締役、コンセプトアーティスト。国内外の映画やゲーム、CMなどのコンセプトアートを手がける。INEIは、国境に関係なく、世界中で仕事のできる会社を目指し活動中。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インダストリアルデザインコース卒。絵の描き方を動画で実際に描きながらていねいに解説しているチュートリアルビデオをGumroadで販売中。代表作に『キャプテンハーロック』『ドラゴンクエストXオンライン』『ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境』『メタルギア ライジング リベンジェンス』『バイオハザードダムネーション』『アスラズ ラース』など。株式会社INEI:http://ineistudio.com●橋本善久(はしもと よしひさ)1973 年愛知県生まれ。東京大学工学部卒業後、株式会社セガでプログラマやゲームディレクターとして家庭用ゲームソフト開発に従事。その後株式会社スクウェア・エニックスのCTO/R&D部門長として全社技術の推進、開発マネジメントの改善、技術者採用促進と育成等に努める。2014年春より独立し、リブゼント・イノベーションズ株式会社を設立。2014年12月より、ライフイズテック株式会社執行役員CTOを兼務。2015年1月より株式会社INEI執行役員プロデューサーを兼務。代表作は『ソニック・ワールドアドベンチャー』(セガ/ゲームディレクター兼技術ディレクター)、『Agni’sPhilosophy - FINAL FANTASY RealtimeTechDemo』(スクウェア・エニックス/プロデューサー兼コンテンツディレクター兼技術ディレクター)、『FINAL FANTASY XIV新生エオルゼア』(スクウェア・エニックス/技術ディレクター)など。
伊沢紘生(宮城教育大学名誉教授・宮城のサル調査会会長) 新世界ザル―アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う―
2015/2/13収録伊沢紘生(宮城教育大学名誉教授・宮城のサル調査会会長)1960年代に入ってから、世界の霊長類学者の注目はチンパンジーやゴリラなどアフリカの大型類人猿に集中していました。かくいう伊沢先生も恩師伊谷純一郎先生とともにアフリカの原野で5年間チンパンジーを追っていました。しかし、その後伊沢先生はかれら大型類人猿に別れを告げて、南米の広大な熱帯雨林で新世界ザルの調査を開始します。携帯するのはフィールドノートとボールペンと双眼鏡のみ。そしてそこに暮らす人々との親密なかかわり――伊沢先生は徹底したフィールドワークを長期間にわたって行いました。そこにはあらゆる野生動物研究の原点があります。さまざまな科学機器が発達した現代においても、その重要性にまったく変わるところがありません。この本は、そのようなフィールドワークのあり方の精魂込めた記録でもあります。孤高のフィールドワーカー――伊沢紘生。熱帯雨林の樹上ですみわけを通して進化した新世界ザルの生きざまをはじめ、壮大なアマゾンの動物たちと熱帯雨林の物語を熱く語っていただきます。【講師紹介】伊沢紘生(いざわ・こうせい)1939年、東京都に生まれる。1963年、京都大学理学部動物学科卒業。1968年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。財団法人日本モンキーセンター研究員、宮城教育大学教育学部教授、宮城教育大学環境教育実践研究センター教授、帝京科学大学生命環境学部教授などを経て、現在、宮城教育大学名誉教授、NPO法人ニホンザルフィールドステーション理事長、NGO宮城のサル調査会会長、理学博士。著書は『さよならブルーシ』(1975年、日本放送出版協会)、『ニホンザルの生態――豪雪の白山に野生を問う』(1982年、どうぶつ社)、『ニホンザルの山』(2009年、フレーベル館)ほか多数。[メッセージ]日本では主に青森県下北半島と宮城県金華山、石川県白山山域で野生ニホンザルを50年以上追い続け、同時進行で、アマゾンの熱帯雨林で幾種類もの新世界ザルを30年余にわたって調査してきた。いずれのフィールドも生物多様性に富み、知的刺激に満ち溢れていて、かれらサルやサルたちを取り巻く自然から多くのことを教わった。そのうちでも最たるものは、自然界を律する「競争の裏側の論理」と、自然界を構成する生物種すべてが持つ「種の誇り」である。私の大自然行脚にはおそらく終りがないだろう。
真山仁10年目の決意。 震災、アベノミクス、戦争…… 日本を取り巻く社会問題から目を逸らさない。その決断と行動 真山 仁(作家)@ジュンク堂池袋本店
2015/3/13収録真山仁 連続トークセッションvol.13―『雨に泣いてる』(幻冬舎)刊行記念―真山 仁(作家)人はなぜ過ちを犯すのか。3月11日、東北地方に巨大地震発生。人間の営みが蹂躙された被災地で、懸命に取材を行う一人の新聞記者が探り当ててしまったのは、そこにある悲劇だけではなかった。最大の挑戦にして、最高到達点。心を撃ち抜く衝撃の社会派ミステリ誕生!大ベストセラーシリーズとなる『ハゲタカ』の刊行から10年。作家・真山仁さんの約8年ぶりとなる書き下ろし作品は、読む者の心を鷲掴みにする社会派ミステリの傑作となりました。今回の主人公は、社会部のベテラン新聞記者・大嶽。彼は震災直後の被災地に志願して取材に赴きます。そこで彼を待っていたのは、言葉を失うほどの惨状。そして、取材中に被災し行方不明になった新人記者・松本の捜索という特命でした。災厄に襲われた地で始まる、誇りと存在意義を賭けた究極の日々。恐怖、嫉妬、裏切り、陰謀。様々な感情が入り乱れる極限状況の中、過酷な取材を敢行しながらも松本を捜す大嶽。やがて彼は津波で亡くなった、ある僧侶の素性に疑問を抱くようになります。地元で尊敬を集め崇拝されていた男が、過去に凶悪事件と関わりがある可能性が浮上したのですが……。懸命に生き抜こうとする人々を描き、苛酷な状況の中で問われる<罪と罰>。必ずや現在を代表するであろう社会派ミステリの誕生を記念したスペシャルトークで、真山仁さんがデビュー10年目の決意を語ります!【講師紹介】真山仁 Mayama Jin1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収をめぐる熱き人間ドラマ『ハゲタカ』でデビュー。2007年に『ハゲタカ』『ハゲタカⅡ(『バイアウト』改題)』を原作とするNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」が放映され、大きな反響を呼ぶ。同ドラマは国内外で多数の賞を受賞した。他の著書に『マグマ』『ベイジン』『黙示』『コラプティオ』『そして、星の輝く夜がくる』『売国』などがある。公式ホームページ http://www.mayamajin.jp/
原発事故で、生きものたちに何がおこったか。 永幡 嘉之(自然写真家)@ジュンク堂池袋本店
原発事故によって人が住めなくなった福島県阿武隈山地の一角。いまでは放射性廃棄物、除染、帰還準備など、人を中心としたニュースが時折流れるのみとなりました。 人がすめなくなった山村に、生きものの調査で通い続けている写真家が見たのは、人の手が加わらなくなって滅びゆく里山の姿でした。里山とは、人の手によって生物多様性が維持されてきた場所。 原発事故の半年前の「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」では、日本が世界に対してアピールした「Satoyama」。 その里山がどうなったのか、そして今後どうなるのか。さらに、人々の懸念の的である放射線による影響は、どのように起こってくるのか……。 3年間の記録から、現状と将来を読み解きます。【講師紹介】永幡嘉之(ながはたよしゆき) 自然写真家1973年兵庫県生まれ、東北地方とロシア極東とを舞台に、自身による昆虫・植物の調査研究を通して、里山と人と自然の歴史を描き出す気鋭の写真家。他方では、自然環境の保全を様々な現場で手がけ、東日本大震災後は津波跡を歩く日々を送る。現在は山形市に居を定め、膨大な標本や写真に囲まれて暮らす。また、ライフワークとして、世界のブナ林を歩き続けている。
改正著作権法施行! 「製作」から考える「本はモノである」ということ 桂川潤(装丁家、イラストレーター)×河野和憲(編集者)@ジュンク堂池袋本店
2015/3/17収録日本出版社協議会プレゼンツ【トークイベント】桂川潤(装丁家、イラストレーター)河野和憲(編集者)装丁とはテキストへの「共感」であり「批評」である。これまで約1800冊の装丁を手がけてきた桂川氏。テキストを「書物=モノ」として結晶化する瞬間の興奮をいつも感じているという。その桂川氏が書籍の電子化を実践。電子書籍の特長は写真・図版を自在に拡大・縮小できること。「紙」の本では想像もつかない細部の情報量に読者から予想以上の反響が寄せられた。桂川氏は書籍の電子化そのものに反対しているのではない。「批判するだけではなく自ら代案を!」と思い立った電子化懐疑派の「笑うに笑えない」顛末等を徹底的に語っていただく。桂川潤(かつらがわ・じゅん)装丁家、イラストレーター。1958年東京生まれ。立教大学大学院文学研究科修士課程修了。キリスト教系NGOや研究所の勤務を経て、1995年からブックデザイン(装丁)の仕事をはじめる。『吉村昭歴史小説集成』(岩波書店)の装丁で第44回(2010年)造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞(事典・全集部門)受賞。著書に『本は物(モノ)である』(新曜社/2010年)、共著に『本は、これから』(池澤夏樹・編/岩波新書/2010年)、『人権とキリスト教』(明治学院大学キリスト教研究所・編/教文館/1993年)、共訳書に『民衆神学を語る』(安炳茂・著/新教出版社/1992年)等がある。河野和憲(こうの・かずのり)彩流社(編集及び製作担当)
英語のスピーキング力・ライティング力を生まれ変わらせるテクニック 植田一三(Aquaries School of Communication学長)@ジュンク堂池袋本店
2015/3/21収録植田一三(Aquaries School of Communication学長)日本人が英語で発信するとき、発音、語彙、論理面での障害が多いのが現状です。このトークでは、英語の発信力UPに欠かせない、伸ばして引く発音、使い方要注意語、類語の使い分け、運用語彙力UP、spoken & written Englishの効果的使い分け、説得力のある論理・反論の仕方、核を述べてから前後から語句を挿入する英文の作り方などについて、主にiBT TOEFL SWの問題を用いてお話しいただきます。◆講師紹介◆植田 一三(Ichay Ueda)英語の最高資格7冠突破校Aquaries School of Communication学長。英語の百科事典を10回以上読破し、辞書数十冊を制覇し、洋画100本以上の全セリフをディクテーションするという超人的努力を果たす。ノースウェスタン大学院・テキサス大学院(コミュニケーション学部)修了し、同大学で異文化間コミュニケーションを1年間指導。Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る)をモットーに、31年の教歴において、英検1級合格者を1600人以上、資格3冠(英検1級・通訳案内士・TOEIC 980点)突破者を200名以上育てる。主な著書に,『英検1級100時間大特訓』、『英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現』、『発信型スーパーボキャビル』、『TOEIC TESTこれ1冊で990点満点』、『英語で説明する科学技術』、『英語で説明する日本の文化』などがある。
<ローズガーデンの魅力とデザイン> 白砂 伸夫(ランドスケープアーキテクト)@ジュンク堂池袋本店
2015/3/27収録『ローズガーデン』出版記念講演会白砂 伸夫(ランドスケープアーキテクト)日本のローズガーデンが世界をリードする時代にきています。ホテルオークラで5 月に開催されている「10カ国大使夫人のガーデニング」、ハウステンボスのローズガーデン、アカオハーブ&ローズガーデン、岐阜県の花フェスタ記念公園の「世界のバラ園」など、今、日本で話題になっているローズガーデンをデザインしている白砂伸夫さんが、世界最前線のローズガーデンのデザインについて披露します。そして作品集「ローズガーデン」(マルモ出版)の出版を記念してトークイベントを開催します。バラの歴史は3000年とも言われ、最も古くから栽培されてきた園芸植物であり、その魅力も多彩です。イングリッシュローズや新しいフランスバラなど、現在もバラの魅力はつきることがありません。さらにバラの新たな新魅力として、まちづくりにも生かされているバラを紹介します。昨年度、花のまちづくりコンクールで国土交通省大臣賞と兵庫県の知事賞を受賞した六甲アイランドローズガーデンは、バラが現代社会においても大きな価値をもつことを示しています。平戸の武家屋敷に残されていた平戸ミステリーローズと呼ばれる知られざる古のバラは、古くから日本人はバラを愛でていた証です。その一方でバラは栽培が難しく、諦める人も多いのではないでしょうか。これからは無農薬でバラを栽培する時代です。常識に捉われないバラの品種のあたらしい選び方などもスライドや映像も交え紹介します。【講師紹介】白砂伸夫(しらすな のぶお)京都生まれ。信州大学農学部卒業後、京都大学の建築学教室で故増田友也教授に師事、建築と建築学を学ぶ。環境共生学博士。現在、神戸国際大学 経済学部 都市環境・観光学科教授。ART FUSION 代表取締役。主な作品:ホテルオークラ「10 カ国大使夫人のガーデニング」、ハウステンボスローズガーデン、アカオハーブ&ローズガーデン、岐阜県花フェスタ記念公園の「世界のバラ園」、愛媛大学キャンパスランドスケープデザイン。屋久島文化村ランドスケープデザインなど。受賞:大津市煌めき大津賞、ベルギー ゲントフローラリー94 国際庭園コンテスト2 位及び国際審査員特別賞、建設省まちづくり月間賞、浜名湖花博 熱海市出展デザイン優秀賞 その他著書:「白砂伸夫作品集」(マルモ出版)、「イングリッシュローズ」(講談社共著)「ローズガーデンデザイン」(淡交社)など。
ランドスケープのことなら何でも聞いてください! 進士 五十八(東京農業大学名誉教授・元学長) @ジュンク堂池袋本店
2015/4/8収録『ランドスケープデザイン』 誌100号記念講演会進士 五十八(東京農業大学名誉教授・元学長)阪神淡路大震災の1995 年創刊。わが国唯一のランドスケープの専門誌『ランドスケープデザイン』(マルモ出版)はついに100 号を発刊しました。『ランドスケープデザイン』にもたびたびご登場・ご寄稿いただいた進士五十八先生に、「ランドスケープの本質・ランドスケープのこれまで、これから?」を熱く語っていただきます。※トークイベントは質疑応答形式で行います。【講師紹介】進士五十八(しんじ いそや)/造園家/東京農業大学名誉教授・元学長これまでに日本学術会議20、21 期会員、日本造園学会長、東南アジア国際農学会長、日本都市計画学会長、日本生活学会長、日本野外教育学会長、自治体学会代表運営委員など歴任。現在は、政府の自然再生専門家会議委員長、社会資本整備審議会臨時委員。また長野県、豊島区、荒川区、三鷹市、新宿区、江戸川区などの景観審議会会長・横浜市、川崎市などの環境審議会会長。ほかにも一般社団法人農あるくらし研究会会長、一般社団法人日本公園緑地協会公園緑地研究所所長、福井県 里山里海湖研究所所長、NPO 法人美し国づくり協会理事長。井下賞、田村賞、日本造園学会賞、同特別賞、北村賞、土木学会景観デザイン賞、Golden Fortune表彰、日本生活学会今和次郎賞、日本農学賞、読売農学賞など受賞、2007 年、紫綬褒章受章。