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(2/3)倉方俊輔×豊川斎赫 ×藤村龍至「工学の国で意匠の可能性を問う」【2014/10/13配信】 @kurakata @ryuji_fujimura
日本の社会では建築の意匠が議論の対象とならない。意匠などというものは建築デザイナーの自己中心的な表現欲求に過ぎず、建築は社会や機能のことを考えるべきだ、という主張が繰り返され、醜い建築、醜い都市、醜い風景が量産されてしまう。
ルーツは今からちょうど100年前に遡る。1914年に竣工した東京駅の構造設計等を担当した建築構造家、佐野利器は「意匠などというものは婦女子の考えること」と考え、社会の近代化に伴う都市の拡大を背景に「耐震耐火構造」「大量生産」「都市計画」などをテーマに掲げ、意匠派批判のキャンペーンを張る。日本建築の伝統と西洋から輸入された新しい技術を融合した日本独自の意匠を確立しようとしていた伊東忠太ほか意匠派が佐野らの批判に応えられれば良かったのだが、運悪く関東大震災(1923)がやってくる。
佐野は復興計画の中心となり、耐震耐火構造の学校建築を実現し、鉄筋コンクリートの工法を伝授して今日のスーパーゼネコンの基礎を作り、日本近代建築界の基礎をつくる。以来、社会と結びついているのは構造・組織派であって意匠・アトリエ派は社会から孤立した存在として扱われ、社会的な影響力のない意匠アトリエ派と意匠に興味のない構造組織派の対比が近代化、戦争、戦災復興、超高層、グローバル化とかたちを変えながら100年以上延々続いている。
その対比はどう乗り越えればいいのだろうか。1960年代、丹下健三は社会・工学・意匠を統合し得た数少ない存在であったが、現代ではかつての丹下のように社会・工学・意匠を統合することは不可能なのだろうか。 ここでは事故災害の国・日本で拡大した「意匠に興味のない工学」というモデルを乗り越えるため、「超線形設計プロセス」という工学的なフィードバックを用いて新たな意匠論を展開しようとする「批判的工学主義」を掲げる藤村の著書の刊行を記念し、伊東忠太研究を起点に広く作家研究を行う倉方俊輔氏と、組織設計事務所での実務を持ち、丹下健三研究を行う豊川斎赫氏を招き、現代における意匠の可能性を討議する。
(1/2)遠山正道×藤村龍至「デザイン・物語・編集 ~スマイルズの仕事とアノニマスデザイン~」【2013/11/25 収録】
1999年の初出店以来、「食べるスープ」の専門店として女性を中心に人気を集め、首都圏を中心にを中心に現在は50店舗以上を展開するSoup StockTokyo。都会の中心で「スープを飲んでほっとしていただくような場所」を提供する同店は、素材を生かし、手間暇をかけたレシピで一躍評判を集めました。昨年刊行されたレシピ本『Soup Stock Tokyoのスープの作り方』も好評を博し、今年10月には続編も出版されたばかりです。
その創業者である遠山正道氏は、株式会社スマイルズの代表取締役社長として、ネクタイ専門ブランド「giraffe」、リサイクルショップ「PASS THE BATON」など、数々の新事業を手がけています。これらの新たなサービスの根底には、どんなきっかけで出発し、どのような思いが秘められているのでしょうか。
対談相手は最注目の若手建築家・藤村龍至氏。新著『リアル・アノニマスデザイン』(岡田栄造氏、山崎泰寛氏との共編著)では、誰が設計したのかわからない、長い時間をかけた自然淘汰の末に生まれてきたデザイン=「アノニマスデザイン」を再評価し、人々の意思が可視化されたネット時代にデザイナーの役割はどのようにあるべきかを問うています。
ますます都市への一極集中が進み、生活の速度が速まるなかで、どのようなサービスが求められ、それはどのように可能になるのか。「デザイン」「物語」「編集」の3つのキーワードをもとに、新たな可能性を探ります。
【登壇者プロフィール】
遠山正道(とおやま・まさみち)
株式会社スマイルズ 代表取締役社長
1962年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85年三菱商事株式会社入社。97年日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社出向を経て、99年に「Soup Stock Tokyo」第1号店をお台場ヴィーナスフォートにオープン。2000年三菱商事初の社内ベンチャー企業、株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。2008年MBOによりスマイルズの株式100%を取得。
現在、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo(スープ ストック トーキョー)」、ネクタイの専門ブランド「giraffe(ジラフ)」、新しいリサイクルショップ「PASS THE BATON(パス ザ バトン)」、ファッションブランド「my panda(マイ パンダ)」を展開。近著に「成功することを決めた」(新潮社)がある。
藤村龍至(ふじむら・りゅうじ)
1976年生まれ。藤村龍至建築設計事務所主宰。
東洋大学専任講師。2007年よりフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』企画・制作・発行。
主な建築作品に「BUILDING K」(2008)、「東京郊外の家」(2009)、「倉庫の家」(2011)、「小屋の家」(2011)など。
(2/3)藤村龍至×東浩紀「東京から福島へ!「福島第一原発観光地化計画」提案の全貌とは?! 〜「アジアハザードセンター」「ふくしまゲートヴィレッジ」そして「福島災害博」〜」【2013/09/06 収録】
2012年の発表以来、新聞・テレビ・ラジオでも繰り返し取り上げられてきた「福島第一原発観光地化計画」。
しかしこの計画の真意は、まだ十分に理解されているとは言いがたい。
この計画の本当の目的は、事故跡地を観光地化すること「だけ」ではない。
むしろそれより重要なのは、人々の興味を惹きつけ、関心を持った人々が辿る動線を作ることだ。
キーポイントとなるのは、2020年に予定されている山手線新駅。
「都内最後の大型再開発」とも称される、品川〜田町間の再開発地域に、アジアの災害について学ぶ「アジアハザードセンター」を設立する。2014年度に完成予定の東北本線と東海道本線の相互乗り入れが実現すれば、福島へのアクセスはぐっと容易になる。
ここで、原発事故と災害の歴史を踏まえつつ復興状況をアピールする「福島災害博」を開く。
そしてその上で、2036年に、現在のJヴィレッジに、娯楽施設と研究学習の場が一体化した巨大なビジターセンター「ふくしまゲートヴィレッジ」を開設し、福島第一原発そのもののへ見学を可能にする――。
この提案の真意とは、そしてその歴史的意義とはなにか!?
本計画で建築・設計を手がける藤村龍至と、発起人・東浩紀が、計画の全貌をはじめて語り尽くす。
災害大国・日本の弱点を強みに変え、世界に向けて発信する。
2011-2020、2020-2036を結ぶプロジェクト「福島第一原発観光地化計画」の真相がついに明らかに……!
刊行まで待てないあなたのための、必聴の120分!!
【チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイドについて】
「観光地化する原発事故跡地!」
誰も知らない、あの悲劇の27年後とは――
3.11後に福島で取材を重ねた東浩紀・開沼博・津田大介の3名が、チェルノブイリへの取材を敢行。
立入禁止区域内、廃墟と化した周辺自治体、そして原子力発電所内部を巡りながら、未だ収束しない事故現場でさまざまな関係者の声を聞きました。写真家・新津保建秀の美しくも緊張感の漲ったグラビアとともに、その現場を子細にレポートします。
東浩紀によるツアー手記や開沼博による論考、津田大介によるルポルタージュに加え、観光学者・井出明による世界の「ダークツーリズム」スポットのガイドや、速水健朗による「空想のなかのチェルノブイリ」文化論、ロシア/ウクライナの専門家によるコラムなども充実。
1986年に起きたレベル7の原発事故から四半世紀。チェルノブイリの「現在」から、日本の「未来」を導きだす一冊です。
続く思想地図β4-2「福島第一原発観光地化計画」と対を成す、思想地図βシリーズの新境地!
http://genroninfo.hatenablog.com
原武史×藤村龍至×東浩紀「さいたまの過去と未来――出雲の血脈と郊外私鉄の可能性(思索の源泉としての私鉄3)」(2020/7/17収録)
※ 原武史さんのご登壇は前半パートのみとなります。
ゲンロンαにイベントのレポート記事を掲載しています。ぜひお読みください。
記事URL= https://genron-alpha.com/article20200721_01/
【収録時のイベント概要】
ゲンロンカフェでは大好評の「思索の源泉としての私鉄」シリーズで知られる政治学者・原武史氏。原氏の原点は西武線であり、また同氏には『<出雲>という思想』という埼玉論の名著がある。原氏のテツ学者の、否、政治学者としての原点はじつは「埼玉」にあるのではないか? そんなわけで第3弾では、所沢育ちで川越高校出身、いまも埼玉県下で縦横矛盾に活躍し続ける建築家・藤村龍至氏(東京藝術大学准教授でもある)をゲストに迎えて、ちょっと斜めの角度から鉄道と日本社会と埼玉の謎に迫る。
埼玉の思想的、都市論的可能性とはなにか? なぜ埼玉は明治以降辺境とみなされてきたのか? 秩父宮はなぜ秩父なのか? そしてポストコロナで埼玉が輝く可能性とはなにか? 司会を務めるのは、10代を東急沿線の横浜市で過ごし、池袋より北にはほとんどいったことのない東浩紀。乞うご期待。
さいたまの過去と未来 – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20200717/
(2/2)遠山正道×藤村龍至「デザイン・物語・編集 ~スマイルズの仕事とアノニマスデザイン~」【2013/11/25 収録】
1999年の初出店以来、「食べるスープ」の専門店として女性を中心に人気を集め、首都圏を中心にを中心に現在は50店舗以上を展開するSoup StockTokyo。都会の中心で「スープを飲んでほっとしていただくような場所」を提供する同店は、素材を生かし、手間暇をかけたレシピで一躍評判を集めました。昨年刊行されたレシピ本『Soup Stock Tokyoのスープの作り方』も好評を博し、今年10月には続編も出版されたばかりです。
その創業者である遠山正道氏は、株式会社スマイルズの代表取締役社長として、ネクタイ専門ブランド「giraffe」、リサイクルショップ「PASS THE BATON」など、数々の新事業を手がけています。これらの新たなサービスの根底には、どんなきっかけで出発し、どのような思いが秘められているのでしょうか。
対談相手は最注目の若手建築家・藤村龍至氏。新著『リアル・アノニマスデザイン』(岡田栄造氏、山崎泰寛氏との共編著)では、誰が設計したのかわからない、長い時間をかけた自然淘汰の末に生まれてきたデザイン=「アノニマスデザイン」を再評価し、人々の意思が可視化されたネット時代にデザイナーの役割はどのようにあるべきかを問うています。
ますます都市への一極集中が進み、生活の速度が速まるなかで、どのようなサービスが求められ、それはどのように可能になるのか。「デザイン」「物語」「編集」の3つのキーワードをもとに、新たな可能性を探ります。
【登壇者プロフィール】
遠山正道(とおやま・まさみち)
株式会社スマイルズ 代表取締役社長
1962年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85年三菱商事株式会社入社。97年日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社出向を経て、99年に「Soup Stock Tokyo」第1号店をお台場ヴィーナスフォートにオープン。2000年三菱商事初の社内ベンチャー企業、株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。2008年MBOによりスマイルズの株式100%を取得。
現在、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo(スープ ストック トーキョー)」、ネクタイの専門ブランド「giraffe(ジラフ)」、新しいリサイクルショップ「PASS THE BATON(パス ザ バトン)」、ファッションブランド「my panda(マイ パンダ)」を展開。近著に「成功することを決めた」(新潮社)がある。
藤村龍至(ふじむら・りゅうじ)
1976年生まれ。藤村龍至建築設計事務所主宰。
東洋大学専任講師。2007年よりフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』企画・制作・発行。
主な建築作品に「BUILDING K」(2008)、「東京郊外の家」(2009)、「倉庫の家」(2011)、「小屋の家」(2011)など。
(3/3)倉方俊輔×豊川斎赫 ×藤村龍至「工学の国で意匠の可能性を問う」【2014/10/13配信】 @kurakata @ryuji_fujimura
日本の社会では建築の意匠が議論の対象とならない。意匠などというものは建築デザイナーの自己中心的な表現欲求に過ぎず、建築は社会や機能のことを考えるべきだ、という主張が繰り返され、醜い建築、醜い都市、醜い風景が量産されてしまう。
ルーツは今からちょうど100年前に遡る。1914年に竣工した東京駅の構造設計等を担当した建築構造家、佐野利器は「意匠などというものは婦女子の考えること」と考え、社会の近代化に伴う都市の拡大を背景に「耐震耐火構造」「大量生産」「都市計画」などをテーマに掲げ、意匠派批判のキャンペーンを張る。日本建築の伝統と西洋から輸入された新しい技術を融合した日本独自の意匠を確立しようとしていた伊東忠太ほか意匠派が佐野らの批判に応えられれば良かったのだが、運悪く関東大震災(1923)がやってくる。
佐野は復興計画の中心となり、耐震耐火構造の学校建築を実現し、鉄筋コンクリートの工法を伝授して今日のスーパーゼネコンの基礎を作り、日本近代建築界の基礎をつくる。以来、社会と結びついているのは構造・組織派であって意匠・アトリエ派は社会から孤立した存在として扱われ、社会的な影響力のない意匠アトリエ派と意匠に興味のない構造組織派の対比が近代化、戦争、戦災復興、超高層、グローバル化とかたちを変えながら100年以上延々続いている。
その対比はどう乗り越えればいいのだろうか。1960年代、丹下健三は社会・工学・意匠を統合し得た数少ない存在であったが、現代ではかつての丹下のように社会・工学・意匠を統合することは不可能なのだろうか。 ここでは事故災害の国・日本で拡大した「意匠に興味のない工学」というモデルを乗り越えるため、「超線形設計プロセス」という工学的なフィードバックを用いて新たな意匠論を展開しようとする「批判的工学主義」を掲げる藤村の著書の刊行を記念し、伊東忠太研究を起点に広く作家研究を行う倉方俊輔氏と、組織設計事務所での実務を持ち、丹下健三研究を行う豊川斎赫氏を招き、現代における意匠の可能性を討議する。
(3/3)藤村龍至×東浩紀「東京から福島へ!「福島第一原発観光地化計画」提案の全貌とは?! 〜「アジアハザードセンター」「ふくしまゲートヴィレッジ」そして「福島災害博」〜」【2013/09/06 収録】
2012年の発表以来、新聞・テレビ・ラジオでも繰り返し取り上げられてきた「福島第一原発観光地化計画」。
しかしこの計画の真意は、まだ十分に理解されているとは言いがたい。
この計画の本当の目的は、事故跡地を観光地化すること「だけ」ではない。
むしろそれより重要なのは、人々の興味を惹きつけ、関心を持った人々が辿る動線を作ることだ。
キーポイントとなるのは、2020年に予定されている山手線新駅。
「都内最後の大型再開発」とも称される、品川〜田町間の再開発地域に、アジアの災害について学ぶ「アジアハザードセンター」を設立する。2014年度に完成予定の東北本線と東海道本線の相互乗り入れが実現すれば、福島へのアクセスはぐっと容易になる。
ここで、原発事故と災害の歴史を踏まえつつ復興状況をアピールする「福島災害博」を開く。
そしてその上で、2036年に、現在のJヴィレッジに、娯楽施設と研究学習の場が一体化した巨大なビジターセンター「ふくしまゲートヴィレッジ」を開設し、福島第一原発そのもののへ見学を可能にする――。
この提案の真意とは、そしてその歴史的意義とはなにか!?
本計画で建築・設計を手がける藤村龍至と、発起人・東浩紀が、計画の全貌をはじめて語り尽くす。
災害大国・日本の弱点を強みに変え、世界に向けて発信する。
2011-2020、2020-2036を結ぶプロジェクト「福島第一原発観光地化計画」の真相がついに明らかに……!
刊行まで待てないあなたのための、必聴の120分!!
【チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイドについて】
「観光地化する原発事故跡地!」
誰も知らない、あの悲劇の27年後とは――
3.11後に福島で取材を重ねた東浩紀・開沼博・津田大介の3名が、チェルノブイリへの取材を敢行。
立入禁止区域内、廃墟と化した周辺自治体、そして原子力発電所内部を巡りながら、未だ収束しない事故現場でさまざまな関係者の声を聞きました。写真家・新津保建秀の美しくも緊張感の漲ったグラビアとともに、その現場を子細にレポートします。
東浩紀によるツアー手記や開沼博による論考、津田大介によるルポルタージュに加え、観光学者・井出明による世界の「ダークツーリズム」スポットのガイドや、速水健朗による「空想のなかのチェルノブイリ」文化論、ロシア/ウクライナの専門家によるコラムなども充実。
1986年に起きたレベル7の原発事故から四半世紀。チェルノブイリの「現在」から、日本の「未来」を導きだす一冊です。
続く思想地図β4-2「福島第一原発観光地化計画」と対を成す、思想地図βシリーズの新境地!
http://genroninfo.hatenablog.com