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野獣先輩柚葉チャンネル説
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【神道シリーズ・シーズン2】第16回・吉田神道(時代に乗ったフェイク神道)
吉田神道は、南北朝の争いで南朝方に加担した伊勢神宮が伊勢神道の影響力が地に落ち、そして戦国時代の夜明けとも言える応仁の乱のあとに伊勢神道を受け継ぐようなかたちで京都の吉田神社で誕生した。
吉田神道の創始者の吉田かねともはアメノコヤネを始祖とする中臣氏の流れの卜部氏の系統のヨシダケ出身で、ある意味武家社会が本格的に朝廷を上回る政治的立場を確立した時代にマッチした神道理論を提案する絶好の機会であったとも言える。
当時も農民を中心とした一般庶民の信仰は100%仏教で、神道理論は庶民というよりも貴族や武家などその時代の支配者たちに提供された体制保障の論理であり、それがこれまで末法時代の克服論であったり救民救済であったりしたのが、武家社会が朝廷を圧倒する戦国時代になると封建支配体制正当化の儒教朱子学理論を軸とした神道理論が武家の間で重宝されるようになったのである。
吉田かねともはそうした時代の流れに狡猾にもうまく乗り、仏教儒教道教を総合しつつも儒教的君民統治論に重点をシフトした神道論を武家の支配層への時代ソルーションとして提供することに成功した。
しかし、その為にかねともは過去に存在してなかった自称古書を自らの著作で捏造し、あたかも太古の昔から吉田神道が存在したような主張をし、さらにかつて密教勢力や伊勢神道の渡会行忠がやったような偽書捏造を通じて京都の吉田神社境内に建てたサイジョウこそが絶対神の国常立のみことの聖地とし、この日本書紀書き換えには伊勢神宮からの強い反発を招き、両者は鋭く対立を続けることとなったのである。
吉田かねともは、吉田神道こそはアメノコヤネ以来日本で唯一こんにちまで伝えられた唯一の元本宗源神道であると主張し、仏教も儒教も道教も同一の理念である理由はこの吉田神道がそれらの起源であるからだとまで豪語したが、問題はその中味がその仏教儒教道教の理論書からの切り貼りであり、すべての宗教の根源とする神道なるものの姿がまったく見えてこないところにあった。
しかしながら、これまで豪族貴族の始祖か御霊のみに限り死者を神と祀って来た過去の歴史を刷新するように時の権力者や儒教的な忠君論的立場より死者を神として祀ることを提唱した吉田神道は、豊臣秀吉や徳川家康など時の権力者たちから受け入れらることとなり、吉田神道は政治的にその地位を確保することになったのであった。
【学習用】伊勢神道の基本構造解説(両部神道⇒伊勢神道⇒吉田神道⇒儒家神道の流れの概略)
伊勢神道の詳細説明をするにあたって、両部神道から伊勢神道、そしてその後の吉田神道や江戸時代以降の儒家神道の一貫した流れを理解しておかないと伊勢神道自害がよく分からなくなってしまうので、1時間17分ではありますが、この概略を初心者にも分かりやすく説明した動画を作りました。
【神道シリーズ・シーズン2】第1回・伊勢神道①(伊勢神道の基本構造)
神道シリーズ・シーズン2では、両部神道から伊勢神道、吉田神道、儒家神道、復古神道と、中世から近世の終わりまでの神道各派の流れを解説していく予定です。
まず、最初に伊勢神道ですが、伊勢神道は、真言宗系の両部神道を土台として、そこから密教的要素を排除し、代わりに道家(道教・陰陽五行)思想で理論付けするという形で形成されますが、この流れは後の吉田神道や江戸時代以降の儒家神道(垂加神道・吉川神道など)に引き継がれていきます。
今回はこの伊勢神道形成までの過程の概略を説明し、第2回以降にはそれぞれの過程の詳細説明をして行こうと思っています。