キーワード SynthVクラシック が含まれる動画 : 20 件中 1 - 20 件目
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【フリモメン】ポロ「7つのスペイン民謡」より【ファリャ】歌わせてみた
今度はフリモメンがどのくらいスペイン語を歌えるか試してみました。SynthVのスペイン語歌唱機能を使用ですが、発音的には日本語と変わらない気が。いかにもスペインらしい情熱的な歌ですが、ファリャの生まれたアンダルシア地方の民謡だそうです。3/8拍子で、付点4分音符が80拍のテンポ指定ですが速すぎて歌うのもピアノ伴奏も無理な気がするので、4分音符88拍で演奏しています。ファリャは記譜法が細かくて打ち込みが大変です。DTM上はただの同音連打になってしまいますが、音符が大譜表に分散しています。右手左手で交互に打てということなのでしょうか。
画像は生成AIが作ったそうですが、生成AIの進歩はすごいですね。人間不要になりそう。
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【フリモメン】魅惑【トスティ】歌わせてみた
今度はフリモメンがどのくらいイタリア語を歌えるか試してみました。トスティの「魅惑」(Malìa)です。マリア様(Maria)ではありませんのでお間違いなく。男性が恋人をたたえる歌。うーむやっぱり、トスティのメロディは甘美ですね。
いやほんとに、トスティの歌曲は日本の声楽家の間では結構人気があるんですよ。市場に出回っているCDは結構日本人が歌っていたりして。トスティが生まれた4月には、トスティの歌のコンクールが開かれていたりします。私も実はトスティをカバーするのはこれで7曲目だったりします。しかしなぜか、海外ではあまり人気がないんですよね。
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【フリモメン】美しき青春時代【プーランク】歌わせてみた
今度はフリモメンがどのくらいフランス語を歌えるか試してみました。下品で露骨な歌満載の、プーランクの曲集「陽気な歌」(Chansons gaillardes)から、今回は第7曲の「美しき青春時代」です。この曲は、曲集の中でも一番下品ではないかと思われます。この曲集はこれまでCeVIOの赤咲に歌わせていましたが、全身タイツのフリモメンに歌わせるのにぴったりですね。
歌詞は17世紀の作者不詳の詩集からということです。歌詞に出てくる"tirelires"などというのは、あのブタの格好をした陶器製の貯金箱のことですが、当時の隠語で、とある「放送禁止用語」を指すらしいです。貯金箱の背中にある、コインを入れる隙間を見て何かを連想したのでしょうか?知りません。
第1曲「浮気なあの子」→sm43292085
第5曲「酒と女」→sm43199896
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【フリモメン】老人の歌【シューベルト】歌わせてみた
今度はフリモメンがどのくらいドイツ語を歌えるか試してみました。こういう低音男声(バス)向けの歌を歌わせられる男声音源が少なくて、困っていたところです。それでドイツ語入力ですが、日本語DBでけっこういけるみたいです。変な小細工をしなくても「ヴぁ」とか入力すればちゃんとVの発音をしてくれるのは助かります。英語だとかえって思い通りの発音をしてくれなくて、調子が悪かったです。やはり調声は必須で、特にクラシック系を歌わせるときはそうですね。
このシューベルトの「老人の歌」(老年の歌)D778ですが、老い行くわが身を慰めるような歌。オクターヴユニゾンで行くところがいやが上にも重苦しさを盛り上げます。シューベルトの代表作の1つに数えてもいいと思っています。3つのバージョンがあると言われるうちの3番目で、Breitkopfの楽譜に基づきます。
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【ボカロクラシカクリスマス祭2023】The Truth sent from Above (English Traditional Carol)【テトさんsで】
イギリス、ヘレフォード地方の伝承クリスマスキャロル。別名"The Herefordshire Carol"
イングランドの作曲家 R Vaughan Williams (RVW, 1872-1958) が収集、編輯した譜(出版:1928)をベースに歌わせてみました。
聖夜の歌、というよりは、第4連(原詞第6連)にあるように season の歌です。
伝承キャロルのもとは8行8連の形式のもの。これが1847年の詞出版時には4行16連に変わっていったと、ものの本にはありました。RVWは出版譜にその4行詩の方の先頭の1〜5連を引いています。
ですが、ここでは元詞の第3、4連をオミットして5〜7連を繰り上げる現行の歌い方に倣いました。クリスマス色が少し鮮明になる気がします。
歌詞和訳はつけてませんが、比較的平易な英語だと思います。
祭の mylist/75599596
主の mylist/34723926
背景画像はHereford Cathedral の内外を主に。
--あれこれ
・歌唱はSVテトさんs。BassだけTonio氏(Vocaloid 2)に助っ人を依頼。
(バステトに化けさせ損ねた…)
・クリスマス祭タグ、顕現祭までは Chiristmas season てことで。お祭りには遅刻です。
・RVWの著作権については、JASRACがPDとしているのでヨシ、とします。
・その他拝借詳細動画内。こちらも多謝。
【SynthVクラシック】眠れる幼子キリスト (Schlafendes Jesuskind) / フーゴ・ヴォルフ【Eleanor Forte AI】
ボカロクラシカクリスマス祭2023参加作品です。
後期ロマン派に属するフーゴ・ヴォルフ(1860 - 1903)は、ワーグナーの影響を受けた和声法、ドイツ語の発音を活かした音楽語法やリズムなどが特徴で、ドイツ・リートの代表的作曲家として評価されています。しかし、(リート自体が日本で聴かれる機会が少ないため)知名度が高いとは言えません。今回はそんな彼の代表作の一つ「メーリケ歌曲集」から「眠れる幼子キリスト」をお届けしようと思います。
元となったエドゥアルト・メーリケの詩には「フランチェスコ・アルバーニ(イタリア初期バロック派の画家)の絵画による」という副題がついています。その絵画は幼いイエスが大工である養父ヨセフの積んだ木片の上で眠り、木片が十字架の形を組んで幼子の受難を暗示している……という内容だったようです。検索すると元の絵画らしきものも出てきましたが出自や著作権が不明瞭な画像しかネット上では見つけられなかったので、同じくバロック期の画家ムリーリョの描いた絵を背景に使用しています。
今回は原曲の歌唱とピアノ版ではなく、ヴォルフ自身の編曲による管弦楽伴奏版を選択しました。まどろむ幼子を柔らかく包むような曲調が特徴的です。
"Schlafendes Jesuskind" (1888/1889)
作曲: Hugo Wolf (1860 - 1903)
歌詞:Eduard Mörike (1804 -1875)
日本語訳: やしろ
背景絵画: The Infant Christ Asleep on the Cross (ca. 1660) Bartolomé Esteban Murillo (1617–1682)
歌唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源・映像制作: やしろ
メーリケ歌曲集には「クリスマス・ローズに」「新年によす」など、この時期に合った曲がいくつか収録されています。原曲のピアノ伴奏版含め、興味があればお聞きいただければ幸いです。
【synthvクラシック】フーガハ短調BWV906(補筆完成版) / J.S.バッハ【Mai, Saki AI, Eleanor Forte AI】
昔作ってた楽譜ファイルを見直していたら、まさに今年のボカロクラシカ音楽祭のテーマに沿った作品が見つかったので急遽完成させました(気づくのがもう何日か早ければ間に合ったなあ……。)
「幻想曲とフーガ」BWV. 906は1730年代に作曲されたと考えられていますが、J.S.バッハの作品にしてはかなり異例な響きを持っており、ギャラント様式を思わせる華麗な走句、演奏技巧の重視(両手の交差が頻繁に登場します)など、当時流行し始めていたスタイルを積極的に取り入れています。しかし何らかの理由でこの「フーガ」の部分は作曲が中断され、未完成作品となってしまいました(今では幻想曲のみを演奏するのが一般的なようです)。
フーガは冒頭の半音階の不穏な動き(途中BACH主題を移調したAs - G - B - Aの音形も登場します)と、34小節目からの歌うような主題を中心に構成されています。自筆譜は48小節目冒頭まで書き込まれたところで中断されています。
この補筆版をつくったのはかなり前なので記憶が曖昧ですが、確かヘンレ版の提案(47小節から5小節目に戻り、34小節目で終わる)を参考にして作っていたはずです。またこの曲をイタリアのピアニスト・作曲家のフェルッチョ・ブゾーニが補筆完成させているのですが、結構やりたいように(ロマン風に)改造しているな……と感じた記憶があり、ただ前半に戻るのではなく他の主題を組み合わせて更に展開を盛り上げる補作はそれを参考にしています。
表示している楽譜はピアノ版のために適当に作ったやつなので実際に鳴ってる音と違うところもあります(synthvの音源の都合で変更を加えたところもあります)。エレノアさんだけでなく、MaiさんやSakiさんといった素晴らしい音源も使いたいのですが、日本語でカバーできる曲がなかなか見つからず……。今回ちょっと無理のある音域ですが急遽歌ってもらうことにしました。楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに後ろで鳴っているのはチェンバロではなく、プリペアド・ピアノの音源です。
【SynthVクラシック】生きる勇気 (Lebensmut) / フランツ・シューベルト【Eleanor Forte AI】
第十四回ボカロクラシカ音楽祭参加作品です。
テーマは「未完の曲」です。
フランツ・シューベルトは多くの未完成作品を残していますが、それらの多くが(有名な交響曲ロ短調を含め)途中で放棄された作品であるのに対し、レルシュタープの詩による「生きる勇気」(Lebensmut)は(おそらく)作者の死によって未完となった作品です。
レルシュターブ、ハイネの詩に基づく最後の歌曲集「白鳥の歌」D957/965a (14曲からなります)に収録される予定だったと考えられています。
断片とはいえ詩の第一連までは完成しているため、録音によっては有節歌曲として最後まで歌っているものもありますが、今回はブライトコプフ社の全集に載っている部分までエレノアさんに歌ってもらいました。明るい曲調ですが、後半の転調がシューベルトらしさを思わせます。
SynthesizerVがベータ版アップデートでARAに対応し、プロジェクトファイルのテンポ変化に追随するようになりました。これでクラシック系の微妙なテンポの揺らぎを再現しやすくなり、特にこういったドイツリートの表現力は高まったように思います。ぜひお楽しみください。
Lebensmut D957
作曲: Franz Schubert (1797 - 1928)
歌詞: Ludwig Rellstab (1799 - 1860)
訳詞: やしろ
歌唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源・動画作成: やしろ
【SynthVクラシック】ライラック (Сирень) / セルゲイ・ラフマニノフ【Eleanor Forte AI】
5月に咲く花と聞いたので。
ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフ。前奏曲嬰ハ短調「鐘」やピアノ協奏曲第2番のような重低音と甘美なメロディで有名ですが、彼が1902年に作曲した歌曲集、12のロマンス作品21に収められた「ライラック」は非常に簡素で控えめな小曲です。
歌詞は朝焼けの中でライラックに慎ましい幸せを見出すといった内容。
ライラックはラフマニノフが大変好んだ花なんだそうです(各地でコンサートを開くたびに匿名のファンからライラックの花を届けられた、というエピソードまであります)。
彼は後年この曲をピアノソロに編曲して録音まで残していますが、そちらはピアニスティックな技巧がふんだんに盛り込まれた「いつもの」ラフマニノフといった感じ。それなら歌曲の方はとにかくシンプルに徹しようと思い、テンポ変化もあまりつけず弱音を中心とした歌い方にしました。楽しんで頂けたら幸いです。
ライラック(リラの花) Сирень 作品21-5
作曲: Sergei Rachmaninoff (1873 - 1943)
歌詞: Ekaterina Andreyena Beketova (1855 - 1892)
英訳: Rosa Newmarch (1857-1940)
訳詞: やしろ
歌唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源・動画作成: やしろ
【SynthVクラシック】ハバネラ形式のヴォカリーズ練習曲 (Vocalise-étude en forme de habanera) / モーリス・ラヴェル【Eleanor Forte AI】
ほとんどゆっくりと、怠惰に。(楽譜の発想記号)
フランス近代を代表する作曲家モーリス・ラヴェルは母親の出身地であったスペインに憧れ、スペイン要素を取り入れた楽曲を多く作曲しました。1907年、パリ音楽院声楽科教授アメデ・エティッシュの委嘱により書かれた「ヴォカリーズ練習曲」(ヴォカリーズは歌詞を持たず、母音のみで歌唱される曲)も、キューバを起源としスペインで流行したハバネラのリズムを取り入れています。
気怠げな雰囲気を持つ小曲ですが、ソルフェージュ(楽譜を読んで初見演奏する訓練)を目的とした作品であるため幅広い音域、トリル、半音階のスケールなど高難易度のテクニックが詰め込まれています。合成音声ならそれらも難なく歌い切れる……と思いきや、SynthVのソフトがスタッカートに対応していないため、細かいブレスや子音を挟んだりと、リアルに聴こえるようにするために色々と工夫が必要でした。
上手くいったか自信のない部分もありますが、楽しんで頂けたら幸いです。
Vocalise-étude en forme de habanera
作曲: Maurice Ravel (1875 - 1937)
歌唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源・動画作成: やしろ
【SynthVクラシック】2つの歌曲「私の両目を閉じてください」 (Schließe mir die Augen beide) / アルバン・ベルク【Eleanor Forte AI】
ハ長調と十二音技法。
新ヴィーン楽派の作曲家アルバン・ベルクはアルノルト・シェーンベルクの弟子であり、「抒情的な(メロディのある)無調音楽」を得意としました。1925年オーストリアの楽譜出版社、ウニフェルザル出版社の25周年を記念して出版された「2つの歌曲」は、同一の歌詞(シュトルムの詩「私の目を閉じてください」)に別のメロディを付けられた珍しい作品です。
1曲目は1907年(楽譜上では1900年となっていますが、出版社の創始年に合わせたようです)に書かれた歌曲をそのまま転用しています。いかにも後期ロマン派な響きが特徴で、後に結婚することになるヘレーネ・ナホフスキーに献呈されました。2曲目はベルクが最初に作曲した十二音技法の作品であり、F-E-C-A-G-D-As-Des-Es-Ges-B-Hという音列にもとづいています。当時の不倫相手だったハンナ・フックス=ロベッティン(イニシャルを取ったF-Hが音列の最初と最後の音)との恋愛が成立に関係しているとも言われています。
ベルクの他の十二音の作品よりは幾分シンプルですが、音列を上手く組み合わせて協和音、四度堆積などの響きをつくるといった後年の作風を思わせる取り組みが既にここで見られます。コーダではペダルを踏んだピアノが十二音全てを鳴らすといった試みも。
どちらも短い曲ですが、ぜひその「両目」を覗いていただければ幸いです。
原曲はドイツ語ですが、楽譜上には載っている英語版の録音が見つからず、せっかくなので英語の方でエレノアさんに歌ってもらいました。ドイツ語よりもあっさりとした響きになっていると思います。
2 Lieder " "Schließe mir die Augen beide"
作曲: Alban Berg (1885 - 1935)
歌詞: Theodor Storm (1817 - 1888)
英語訳詞: Eric Smith
日本語訳詞(ドイツ語版に基づく):やしろ
歌唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源・動画作成: やしろ
ここで使われた音列はベルクの1年後の作品、弦楽四重奏のための「抒情組曲」にも使われています。よければ聴いてみてください。
【SynthVクラシック】神々しき光の永遠の源よ (Eternal Source of Light Divine) / ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル【Eleanor Forte AI】
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel、イギリスではGeorge Frideric Handel)はイタリアを旅行し現地の音楽を十分学んだ後、1710年ハノーファー選帝侯の宮廷楽長に任命されました。しかしその直後ロンドンへ旅行し、イタリア語オペラを上演し成功させます。1712年11月には再びロンドンに向かい、以降ヘンデルはずっとイギリスに住み続けました。この「アン女王の誕生日のためのオード」はロンドン到着直後の1713年2月6日、当時のイギリス女王アンの誕生日を祝うために作曲されたと言われています(しかし女王が本当に演奏を聴いたのかは定かではないようです)。
冒頭のEternal Source of Light Divine(神々しき光の永遠の源よ)はアルト(またはカウンターテナー)独唱曲であり、単独でもよく演奏されます。
もともとエレノアさんにはオペラ的なアリアが合うのではないか?と思い探すうちに出会ったこちらの曲ですが、トランペットのオブリガードも加わり荘厳な雰囲気が重視された曲だと思います。シンプルかつ奥深いヘンデルの音楽の魅力を少しでも伝えられましたら幸いです。
Eternal Source of Light DIvine - "Ode for the Birthday of Queen Anne" (1713)
作曲: George Frideric Handel (1685 - 1759)
歌詞: Ambrose Philips (1674 - 1749)
訳詞:やしろ
独唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
多くの歌手が歌っていますが、「オンブラ・マイ・フ」で有名なキャスリーン・バトルの録音はおすすめです(共演しているウィントン・マルサリスのトランペットも素晴らしいです)。
【SynthVクラシック】 眠れ、我が愛しい子 (Lullaby, My Sweet Little Baby) / ウィリアム・バード【Eleanor Forte AI】
ボカロクラシカクリスマス祭2022参加作品です。
英国ルネサンス音楽を代表する作曲家であり、数多くの合唱曲で知られるウィリアム・バード。今回はその中でも彼の存命中に人気だったという「眠れ、我が愛しい子」(Lullaby, My Sweet Little Baby)をエレノアさんの独唱と器楽伴奏でお届けします。
歌詞は(本動画では1番以降をカットしておりますが)3番まであり、マリアが泣いている幼子イエスをあやす子守唄と、ナレーターがイエス生誕時の出来事を説明する部分が交互に歌われます。歌詞にある「残酷な王」はマタイの福音書に記述されたユダヤ人王ヘロデを指し、彼が「新たな王が生まれた」という預言を恐れベツレヘムの赤子全員を皆殺しにしたエピソードが組み込まれています。
クリスマスソングとしてはなかなか重い題材ですが、このような憂鬱さを前面に出した芸術は「メランコリア」と総称され、当時のエリザベス朝では人気だったようです。いわゆる「コヴェントリー・キャロル」(16世紀に成立)も同じ題材に基づいています。
初出版は1588年、"Psalmes, Sonets and Songs"に5声の合唱曲として収録されたときのようですが、それ以前にコンソート(器楽合奏)と独唱のために書かれたものを編曲したと考えられています。
今回ソプラノ声部をトランペット、アルトとテナーをクラヴィコード、バスをヴィオラ・ダ・ガンバに割り当ててアレンジしてみました。買ったけど使ったことがない音源を試すのが主目的でしたが、なかなか独特な雰囲気が出ていると思います。お楽しみいただければ幸いです。
Lullaby, My Sweet Little Baby (1588)
作曲: William Byrd (ca. 1540 - 1623)
歌詞:不明
訳詞:やしろ
独唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
様々なバージョンの録音がありますが、タリス・スコラーズの録音は特に対位法の美しさが際立っていておすすめです。
【SynthVクラシック】 こどもの歌 (Jüdishe Lieder) / ミェチスワフ・ヴァインベルク【Eleanor Forte AI】
第十三回ボカロクラシカ音楽祭参加作品です。
参加テーマは自由曲部門の「13」(作品13のため)
またヴァインベルクはポーランド出身なので「東欧」も当てはまります。
近年録音が増えてきましたが、まだまだ知名度の低いミェチスワフ・ヴァインベルク(1919 - 1996)。ユダヤ系ポーランド人だった彼はワルシャワ音楽院で学んだ後、1939年ナチス・ドイツの侵攻から逃れてソビエト連邦へ亡命(このとき残った両親と妹は強制収容所で亡くなりました)。ベラルーシのミンスク、ウズベキスタンのタシュケントを転々とし、知り合いとなったショスタコーヴィチのすすめでモスクワに定住します。この「子供の歌」(初版タイトルは「ユダヤの歌」)は1943年、タシュケントを出る直前に作曲された作品です。
歌詞はポーランドの詩人、イツホク・レイブシュ・ペレツのイディッシュ語詩から取られており、小さな子どもの空想と心境が率直に描かれています。
ショスタコーヴィチはこの曲に影響を受けて歌曲集「ユダヤの民族詩より」を作曲したと言われています。
ユダヤ系音楽の特徴としてよく挙げられる「泣き笑い」ですが、この曲集にもよくあてはまります。哀しい曲調だと思ったらおどけた歌詞だったり、明るい曲調が突然暗くなったり……。特に第5曲などは民族音楽っぽさがはっきりと現れており、20世紀音楽の中では非常に親しみやすい作風だと思われます。
イディッシュ語は非常に独特な発音があるらしいのですが、本来ヘブライ文字で書かれているため辞書で調べるのが困難でした。いつも以上に間違った発音も多いと思われますが、拙いながらもこの曲を是非とも紹介したいという思いから公開いたします。
ちょうどこの曲集を作っている間にSynthesizer Vにアップデートがきて、エレノアさんに新しい音声合成方式、ボイススタイルが実装されました。高音でも声が出るようになり、表現の幅が広がったため非常に嬉しいアプデです。(音を外しやすくなったため調整作業はやはり多いですが)
是非各曲での微妙な表情の違いにも注目して聴いていただけると幸いです。
Children's Songs (Jüdische Lieder) Op. 13 (1943)
作曲:ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919 - 1996)
作詞:イツホク・レイブシュ・ペレツ(1851 - 1915) PD
訳詞: やしろ
Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源作成: やしろ
「子供の歌」はヴァインベルクの作品の中では比較的録音に恵まれ、ピアノ・トリオ伴奏に編曲されたバージョンもあります。是非聴いてみてください。
【SynthVクラシック】 3つの日本の抒情詩 (Three Japanese Lyrics) / イーゴリ・ストラヴィンスキー【Eleanor Forte AI】
これが日本だ(本当にそうか?)
ロシア出身の作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキー。1913年に初演されたバレエ音楽「春の祭典」が代表作として知られていますが、同時期に作曲されたのがこの「3つの日本の抒情詩」。当時流行していたジャポニスムを取り入れ、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」を参考に作曲されたと言われています。しかし実際に聴いてみると日本らしさというのはあまりなく、むしろ「春の祭典」と共通するモダニズムが前面に出ている曲調となっています。
歌詞はドイツの詩人H.べードゲが訳した「日本の春」(Japanischer Frühling)をA.ブラントがロシア語に訳したものがオリジナルで、その後フランス語、英語にも重訳されました。多くの録音ではロシア語で歌われていますが、ストラヴィンスキーが残した唯一の自作自演は実は英語版(アメリカに亡命した直後の録音と思われるので、ロシア語歌手が見つからなかったのかもしれません)。今回はその英語版でエレノアさんに歌ってもらいました。
今回はさらに各曲の元詩と思われる和歌を琴葉茜さんに読みあげてもらっています。日本語→ドイツ語→ロシア語→英語と経由しているため、1曲目の梅の花など意味が大幅に変化しているところが多いですが、その違いも楽しんでいただけたら幸いです。
3 Japanese Lyrics (Три стихотворения из японской лирики) 1913
曲: Igor Stravinsky (1882 - 1971)
歌詞: Hans Bethge (1876 -1946) - Aleksandr Brandt (生没年不詳) - Robert Burness (1873 - 1927)
日本語訳:やしろ
原詩: 万葉集、古今和歌集収録
現代語訳: やしろ
読み上げ A.I.VOICE 琴葉茜
声: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
音源作成:やしろ
ソフトウェアトークソフトはいくつか持っているので、他の動画でも使っていきたいところ。
【SynthVクラシック】 誕生日の贈り物 (A Birthday Hansel) / ベンジャミン・ブリテン【Eleanor Forte AI】
20世紀イギリスを代表する作曲家ベンジャミン・ブリテンは、パートナーであったピーター・ピアーズのための歌曲を生涯にわたって作曲し続けました。この最晩年の歌曲集「誕生日の贈り物」も(題名は"for high voice and harp"ですが)その一つで、ピアーズの独唱により初演されています。
本作品はイギリス女王エリザベス2世の委嘱により、女王の母エリザベス王太后の75歳の誕生日を祝うために書かれました。王太后がスコットランドの出身であることを反映して、歌詞はロバート・バーンズ(スコットランドの国民的詩人、「蛍の空」の原曲Auld Lang Syneを作詞)によるスコットランド語詩が使われています。今回はその中から終わりの2曲、「冬(The Winter)」「リジー・リンジー(Leezie Lindsay)」を抜粋してエレノアさんに歌ってもらいました。
「誕生日の贈り物」(hanselはhandselのスコットランド英語表記)という題名にもかかわらず、直接誕生日と関わりがあるのは1曲のみ。「冬」は失恋の歌、「リジー・リンジー」は求婚の歌となっています。
曲: Benjamin Britten (1913 - 1976)
歌詞Robert Burns (1759 - 1796)
日本語訳:やしろ
声: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
もともと私が9月に誕生日を迎えるためこちらの曲を選びましたが、先日のエリザベス2世崩御のニュースを聞いて少し悩みました。しかしあまり知られていないこの曲を知ってもらうにはむしろ良いタイミングだろうと思い偲びつつ公開させていただきます。
【SynthVクラシック】ブラジル風バッハ第5番よりアリア (Bachianas Brasileiras n.º 5 "Aria") / エイトル・ヴィラ=ロボス【Eleanor Forte AI】
(ここまでたくさんのチェロ音源を使った曲は)初投稿です。
ブラジルの民族音楽と古典音楽の融合を目指したエイトル・ヴィラ=ロボス。代表作である「ブラジル風バッハ」は小編成室内楽からフルオーケストラまで幅広い編成のために書かれた連作となっています。今回はその中でも特に有名な、8本のチェロとソプラノのための第5番をエレノア・フォルテでカバーしました。
チェロ音源は8つも違うのを揃えられなかったので4thと8thの音が被ってます。トップを弾いてるのはe-instrumentsのStradivari Celloです。
歌詞は美しい夕方について歌ったもので、ボサノバでもよく聞くsaudade(郷愁)を切々と歌い上げています。
前回のバッハの動画でも少し触れましたがSynthVがバージョン1.7.0になり音声合成の方式が変わりました。エレノアさんについていえば、高音のノイズが減り"t・d"の発音が自然になるといった利点もあれば、高い音域の声が出なくなり全体的に発音が不明瞭になるといった問題もあり一長一短です。この曲もそのままでは上の音が出なかったためキーシフトを最大まで下げることで対応しています。
今回冒頭のヴォカリーズと中間部の歌詞はver105、最後のハミングはver103で歌ってもらいました。あまり違いは分からないと思いますが参考になれば幸いです。
Bachianas Brasileiras n.º 5 "Aria (Cantilena)" (1938 -1939)
作曲: Heitor Villa-Lobos (1887 - 1959)
歌詞: Ruth Valadares Corrêa
独唱: Eleanor Forte AI (SynthesizerV)
レオポルド・ストコフスキー指揮、アンナ・モッフォ独唱の音源は一聴の価値ありです。
動画修正:中間部に自動ピッチ機能を適用。前より自然な歌い方になったと思います。
【SynthVクラシック】 なんてコーヒーは美味しいのだろう (Ei wie schmeckt der Coffee süße) / J.S.バッハ【Eleanor Forte AI】
(ドイツ語の曲は)初投稿です。
J.S.バッハはライプツィヒのトーマスカントルとして毎週カンタータを作曲し演奏する傍ら、学生のアマチュア音楽団体コレギウム・ムジクムを指導し、コーヒーハウス「カフェ・ツィマーマン」で演奏会を催す生活をしていました。この「お喋りはやめて、お静かに」BWV.211、通称コーヒー・カンタータもコーヒーハウスで演奏するために作曲されたと考えられています。
筋書きは以下のようになっています。
老人シュレドリアンは娘リースフェンがコーヒーを飲むのが気に入りません。娘を呼び出しコーヒーをやめるように言うのですが、「コーヒーが無かったら干からびてしまう」と言ってリースフェンが歌うのがこのアリア。シュレドリアンはコーヒー狂いの娘に激怒し、コーヒーをやめない限り嫁には出さないと言います。娘はそれならコーヒーはやめるから、今すぐ婿を探すようシュレドリアンに頼み込む……のですが、すぐこう周りに言いふらしたのでした。好きな時にコーヒーを飲ましてくれる人でないと、結婚はしないと。
コミック・オペラ風の筋書きを持つこの曲ですが、バッハのユーモアのある一面が見られる珍しい作品となっています。
ドイツ語の発音が正しいのかは自信がないのですが、楽しんでいただけたら幸いです。
"Schweigt stille, plaudert nicht", BWV 211より"Ei wie schmeckt der Coffee süße"
曲: Johann Sebastian Bach (1685-1750)
歌詞:Picander (Christian Friedrich Henrici) (1700-1764)
日本語訳:やしろ
声: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
synthVのアップデートでエレノアさんの声質も変わったので、どう活かすか苦戦中です。(この曲は以前のバージョン103で歌ってもらっています)
【SynthVクラシック】 隠者の歌 (Hermit Songs) / サミュエル・バーバー【Eleanor Forte AI】
(ピアノ伴奏の歌曲は)初投稿です。
現在「弦楽のためのアダージョ」だけが突出して知られているサミュエル・バーバー。しかし優れたバリトン歌手でもあった彼が最も力を注いだジャンルは歌曲でした。
この「隠者の歌」は中世アイルランドの神学者、修道士が残した詩に曲をつけており、全10曲からなります。今回は冒頭の「聖パトリックの煉獄」、単独で歌われることも多い「はりつけ」「修道士と猫」の3曲を選びエレノアさんに歌ってもらいました。
1曲目の聖パトリックの煉獄とは、アイルランドのダーグ湖(Loch Derg)に浮かぶステーション島にまつわる伝説のこと。ここには煉獄に通じる洞窟があり、責め苦を受けることで罪を浄められる、と言われていました。洞窟は15世紀に破壊されましたが、今でも巡礼地兼観光スポットとして人気なんだとか。
Hermit Songs Op. 29 (1952-1953)
曲: Samuel Barber (1910 - 1981)
歌詞:8世紀から13世紀にかけてのアイルランド詩(O'Faolain, Jones, Auden英訳, JASRACデータベースによるとPublic Domain)
日本語訳:やしろ
声: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
是非全曲盤も聴いてみてください。初演時の録音(レオンティン・プライス独唱、バーバー伴奏)も古いモノラル録音ですがなかなか良いです。
【SynthVクラシック】Folk Songs / ルチアーノ・ベリオ【Eleanor Forte AI】
(20世紀の曲のカバーは)初投稿です。
「シンフォニア」、「セクエンツァ」シリーズなどガチガチの現代音楽を作曲していたルチアーノ・ベリオですが、過去の作品を独自にアレンジして発表することもありました。
この"Folk Songs"もその一つで、妻であったキャシー・バーべリアンの高い歌唱能力を活かすため、アメリカからアゼルバイジャンに至る各地の民謡を集めて編曲した作品となっています。
今回はそのうち冒頭の3曲をエレノアさんでカバーしました。
非常に聴きやすくこれが現代音楽?と思われるかもしれませんが、1曲目のテンポと無関係に弾き続けるヴィオラ、2曲目終わりに聴こえる鳥の鳴き声の模倣など、20世紀的なセンスもあちこちに見受けられます。
3曲目はアルメニア民謡ですが、キャシーの先祖がアルメニア出身だったため曲集に含められたのだとか。アルメニア語の発音が分からず耳コピしたので正しいのかは微妙です。
エレノアさんにアルメニア語をしゃべらせたのは多分私が初めてではないでしょうか。
4曲目以降はフランス語の発音をマスターしてからになりそうです。あとMVの作り方がわかりません
Folk Songs for mezzo-soprano and 7 instruments (1964)
曲: Luciano Berio (1925 - 2003)
歌詞:Traditional
日本語訳:やしろ
声: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
作曲者指揮、キャシー・バーべリアン歌唱の自作自演盤は是非一度聴いてみてください。