キーワード ホラーボイロ劇場 が含まれる動画 : 1579 件中 1569 - 1579 件目
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劇場実験【夜 11話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意(最終話)
かねてからコン・ぺーが人権弾圧をしていたクルー人の強制収容所を閉鎖したとのニュースが世界中を駆け巡り、Q国内の情報が世界中に流れるようになった。
これに、危機感を覚えたのはQ国と利害関係を結んでいた、各国要人や企業の経営者たちだった。
彼らは、表立っては人権遵守を訴え特定の国や企業、団体を糾弾していたのだが、自らが欺瞞に満ち、人権蹂躙の果てに手に入れた低賃金労働者を利用して莫大な利益をあげていたことが暴かれると、沈黙ばかりが彼らの存在意義をつないでいた。
テレビマスメディアもQ国のこの対応には苦慮したものとみられる。もともとQ国に配慮した放送を垂れ流すことが自分達の利益に繋がっていたが、事実を報道する事を強要された結果、マスメディア同士で不正を暴露しあうと言った共食いが始まり、以前からQ国の危険性を訴えていた人たちの声が広く一般に浸透するようになり、自らの利益しか考えなかったタレントのスキャンダルも暴かれ自然と淘汰されていった。
当然、自分で考える事を放棄していた国民は右往左往し始め混乱をもたらし、国民を階層化していた仕組みは元より、憲兵等の人権を弾圧していた組織、そして国民を扇動し、洗脳していた既存のテレビマスメディアは責任を追及され解体された……
更に、コン・ぺーはQ国共産党の要人を粛清し、多くの人権活動家を解放し始めた。そればかりではなかった。北海道を占領していたR国の大統領が暗殺されると、日本はQ国の後ろ楯を元に北海道、北方領土を返還すべく手続きが進められ、沖縄と、北海道には大規模な軍事基地が整備され日本への譲渡、返還が進められスパイ防止法など様々な法律が整備されていった。
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【550ml の憂鬱 6話】日常の隙間に存在するホラーギャグ的な閲覧注意(全6話)
どうしたのだろう、
この手、胸、腰のくびれ、確かに自分の身体には違いがないのだが、何故か違和感を拭いさることが出来ない。ほんの僅かな間だったが、さっきまで違う誰かを見つめていた気がする。
だが、そんなことはこの際どうでも良い。そもそも彼女のように気品と自信に満ち溢れ、ぼくに哀れむような視線を、遥かなる高見から注ぐ女とは如何なるものだろうか?
もちろん本人の努力もあっただろうが、家柄や親の財力などによるものも大きく、ぼくのように場末感溢れるリアルな貧乏人なんて生きることや食べることが精一杯で比較しようがないのだ。
それなのに、どういう訳か、ぼくは彼女を知っている気が、いや、それどころか彼女こそが自分自身の片割れなのではないかと疑問を抱き、見つめる程に確信へと替わってきた。
なんと言えば良いか、子供の頃遊んだシーソーのように、お互いは他人同士であるはずなのに、同じ器を共有し、常に二人は対照的な環境を行き来する。そして、シーソーを繰り返すほどに、お互いの陰影は平均化され、二人は近似的に同じものへと収束して行く……
彼女はいったい誰なのだろう。深い関係であるはずにも関わらず、良くは知らない間柄とでも言おうか、そう、例えば彼女は……
20221230
こんばんは、ニコニコ動画として自分の作品を三つ公開することが出来ました。
そもそも、作品を書きあげ朗読動画として公開するまでに、いかに時間がかかるものなのかを思い知らされて来ました。日常生活を送りつつ、何度となく挫折しそうになるも修正を繰り返し、ようやくここまで来ることが出来ました……
ときおり思うことがあります公開して何になるのか?
少なくとも商業的な作品ですらないのですから自己満足的な意味合いが強いのかもしれませんし、結果は閲覧者数を見れば一目瞭然なのでしょう……さしあたり次の作品を書き上げ公開することこそが、新たな動機へとつながるものなのかもしれません……
しがない場末の作品である事は自覚しておりますが、感想をいただけることを期待して、次に何を書くのかを考えてゆきたいと思います……
一丸キッカ
劇場実験【夜 7話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意
一体、彼は何者なのだろうか、
ゆっくりとした仕草で立ち上がり目をパチパチと瞬かせる表情には愛嬌すら満ちあふれ、恐怖の独裁者と言わしめた姿には到底見えなかった。
しかし……
ぎこちない姿で全裸のまま立ち上がると、一瞬、空を見上げた。
両手を水平方向に、ブーンと呟きながら飛行機の真似をして子供の様に駆け回り、その姿が、ぼくの目の前でピタリと立ち止まった。
二度、三度と瞬きをして、ぼくを覗き見るように値踏みした。その時の表情は明らかにQ国国家主席のそれであり痛烈なまでの緊張感に爪先が痺れる思い出あった……
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【夜 5話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意
なんとも不思議な街だった……
妖艶な化け猫のような女将は言う、
「この辺りは外を出歩くには狐の面を着けるのが仕来たりなのですが、驚いたのではありませんか? もっとも、そう言った土地独特の仕来たりの為、訪れるお客様も楽しんでお面を着けておいでですのよ……ですから、お面を着けない方のほうが割かし珍しいのです……でも……時々行方不明になられる方もいるみたいですが、何せお面をしているものですから、目撃者がいても、様にして見つけるのが難しいのです……ささ、お団子でもどうですか……」
確かに、街を歩く人が皆お面をしていたら誰が誰かなんて分からないだろうし……みんな同じ顔していたら他人のことなんて気にならなくなるのかも知れない……とは言え、こんな小さな街で時々、人が行方不明になるなんて事があるだろうか……
そんな女将に案内され、大きなお酢工場へと誘われたのだ……
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【550ml の憂鬱 4話】日常の隙間に存在するホラーギャグ的な閲覧注意(全6話)
直後に、スポットライトが輝かしい照明効果を演出し、この非日常とした舞台劇のヒロインを映し出したのだ。
ただ……
残念ながら、彼女の演技がかった劇的な台詞など、車椅子に座した無機質で硬い容貌の前では全く意味を成さなかったのだ。何故なら、彼女の存在を一度目にしてしまえば、ぼくが道中苦労して掴みかけて来た非現実という新たなるカテゴリーなど何も意味を成さず、そのアリのままの狂気を、好むと好まないに関わらず受け入れるしかなかったのである。
それは、この到底受け入れ難い非日常的な演出の中に置いてでさえ、かなりの飛躍を感じ得ずにはいられなかったのである。
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
私は一体今まで何をしてきたのだろう……
心の寂しさが一層と寒さを身に刻み込み自問自答を繰り返すばかりの毎日です。
そんな心根を誤魔化すためなのか、妄想ばかりが極限化し現実とは違ったストーリー展開が視界に構築され、街のイルミネーションの鮮やかさを抗うのだ……
20221211
劇場実験【夜 9話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意(全11話)
この頼りなげなボートで、到底不可能だと思っていた状況下において、ついに、かつて日本の領土として、北海道と呼ばれていた陸地へと上陸させてくれたのは、紛れもなくパンピーだったのだ ……
………………
パンピーはウォッカのボトルを掴んで香りをしばらく楽しんだかと思うと、おもむろにボトルに口を付け一気に飲み干し大きな音でゲップをし満足そうに胃の辺りをさすっていた。
店の二階は宿になっていて、簡易宿泊所のようなスタイルなのか枕カバーとベッドのシーツを手渡された。
いずれにしても部屋も借りる事が出来、ぬるま湯ではあったがシャワーも浴びる事が出来たのは幸いだった。
ただ、お湯が出るまでに三十分程かかった所が、ここはもう日本ではない事を思いださせた。
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【550ml の憂鬱 3話】日常の隙間に存在するホラーギャグ的な閲覧注意(全6話)
何故なら、その路地は一定の間隔で柳の木が植えられ、一瞬、風情や趣のある心情豊かな路地なのかと錯覚したが、ユラユラとした長い枝葉が催眠効果を催すが如くにぼくの平行感覚を微妙に狂わせ、揺らいでいる葉に同期して身体は小刻みに振れ動き、吐き気と共に歩行が困難になってしまったのだ。
しかも、敷石を良く見ると、年代や、名前が彫り込まれ、それが墓石を再利用したものであることが分かった。確かに使えるものは何でも再利用すべきだとは思うが、あまり気持ちの良いものではなかったし、いつまでもここにいると、墓石に自分の名前が刻み込まれてしまうのではと危惧させ、路地の片隅に点在するように無数の素焼きの壷が置かれ、まさか骨壷ではと思わせる薄気味の悪さを感じた。
これは、イヨイヨ幽霊でも出るんじゃないかと思いかけると、次第にうぶ毛は逆立ち始め、大気の僅かな動きに敏感になった。
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
もう、すっかり冬の様相を示し冷たい風が染み入るほどに心の奥深くへと浸食する。それでも、何かを抱え、感じながらも生きてゆく意味を問いかけて歩き始めた12月の土曜日の夜です……
20221203
劇場実験【夜 8話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意
終点の石巻駅で電車を乗り換える際に、ちょっとした事件が勃発した。
流暢な外国語なのだろうか、何を話しているのかは全く理解不能で、
見ようによっては喜劇役者の舞台を観劇しているようでもあった。
だが、それが尋常でなかったのは、二人の憲兵を見れば明らかだった。
虚を付かれた憲兵は、戸惑いながらパンピーの顔を見て、不安を行き来させた。
非現実とも言えるシチュエーションは彼らにとって間違うことなくリアルで、
かつて一つの民族のジェノサイドを目論んだ恐怖の総統の如くに過剰な演出で両腕を振り上げるパンピーの姿は正に独裁国家主席そのものだった。
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【夜 10話】近未来ホラーギャグ的な閲覧注意(全11話)
小さな窓からは四角い夜ばかりか差し込み、薄暗い裸電球の淡い輝きだけが、この空間の存在意義を訴えかけ、はな提灯を膨らませているパンピーを尻目に、押し寄せる夜に身をさらしていると、本当に遠くへ来たのだと車輪の打ちならす音にしばし耳を傾けていた……
人はなぜ考える事を放棄したのだろうか……
少しばかり考えれば分かりそうな事でも、目の前に現れる口当たりの良い映像に心は奪われ、考えるきっかけを自ら進んで握りつぶすようになる……
昨日まで誰も気にしなかった出来事が、次の日には古くからそうであったかの様な錯覚を受け熱狂してしまい、古くからある問題点や、本当に気にしなければならない出来事からは目を背けるようになる……
ところが、ある日ふと、目の前に肥大化された問題を突きつけられ、生活環境が大きく変化し、仕事や住む場所を失い、更にその矛先を見誤る……
それを指摘しても無駄である。
テレビのバラエティー番組から漂う同調圧力と似た言葉ばかりが帰ってくる……
関係ない……
つまらない事を言うな……
空気をよめ……
Q国万歳……
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
劇場実験【550ml の憂鬱 2話】日常の隙間に存在するホラーギャグ的な閲覧注意(全6話)
『ほんの五百五十ミリリットルで良いのです。協力してあげてください。御礼有、交通費支給、住所は東京都世田谷区下北沢……』
ほんの一週間ほど前であろうか、病んだ心を抱えながらカールのスパイシーな香りに包み込まれ、墓場を散歩している時のことだった。
その日は、夕暮れ時にもなると街中は直射日光がないぶん気温も大分下がり、墓場は、そんな街中と比較してもなお涼しげであったのを覚えている。
おそらく誰かが風船で、この風鈴と手紙を飛ばしたに違いがないのだが、なかなか面白いシチュエーションだと思わずにはいられなかった。
どこかの小学生が書いたものなのか、下手な字で内容的にはとるに足らない一笑にせざるものだったが、吊るされている風鈴がガラスの切子で、見事な細工を施したものだったのが気になった……
螺旋を描くがごとくに奇異なる世界へと誘われ、何時しか全く異なる状況下に狂気だけが形作られる……
一丸キッカのホラーとも倒錯した恐怖の短編小説
前回の投稿から随分と時間がたってしまいました。
私生活において、逃げることのかなわない悲しみと喪失の深みへとはまり込み、まだまだ傷の癒えぬ空虚な心根に、ため息ばかりの毎日ですが、少しずつ歩き始めた雨の日曜日です……
20221120
劇場実験【550ml の憂鬱 5話】日常の隙間に存在するホラーギャグ的な閲覧注意(全6話)
少なくとも、このまま自分の部屋にいると蒸し暑さで気が変になりそうで、体内に巣くう五百五十ミリリットルの後押しもあり、たまらずに夜の路地に繰り出したのだ。
夜とは言え、なんて蒸し暑いのだろう、ただでさえ日本の熱帯夜は殺人的な蒸し暑さで、高齢者などはひとたまりもなく時おり死者が出るのは、この世の負の風物詩であるほどだ。
このまま身体が渇き切るとガビガビに干からびたサラミのようになってしまうのではと恐怖感がつのり、薄気味の悪いマネキン人形の姿が自身と重なりあうように目に浮かんだ。
「一体どうなってしまうのだろう……、この身体中の違和感を何とかしてくれ……」
体内を血が流れるほどに、チクチクと噛みつくような刺激が巻き起こり、治まったかと思うと内蔵をこねるように重く不快な感覚に襲われる。
20221224
こんばんは、クリスマスの夜をいかがお過ごしでしょうか……
第五話を公開することができた事を嬉しく思うとともに、そんな日がクリスマスに重なるなんて嬉しい限りです。思えば、クリスマスなど家庭の行事として成り立つ事のなかった古き幼少の頃が思い出され、ドリフや、クリスマスの日に降り積もった冷たい雪景色が過去の記憶を震わせる……あれから、どれほどの出来事がぼくの身の回りに起こったのだろうか……
今年もあと少しですね……
一丸キッカ